『天国泥棒』作:加藤道夫初出:1952年「自殺が悪いと云ふんなら、神様は自殺しなければならんやうな世の中に何故俺を生んだんだ」死刑囚二人が登場する短篇戯曲。片方が極悪人、片方は冤罪を主張している。彼らは話し込むうちに「死んだらどうなるか」について考え始める。 ...
カテゴリ:【日本戯曲】
【戯曲】阪中正夫『赤鬼』あらすじと感想
『赤鬼』作:阪中正夫初演:1935年6月・創作座岸田國士がエッセイの中で話題にしていた劇作家・阪中正夫の戯曲。『赤鬼』と聞くとどうしても野田秀樹の『赤鬼』が浮かぶが、こちらはいつも飲んだくれていて顔が赤い為に「赤鬼」と呼ばれているお父さんの話。お父さんには執着 ...
【戯曲】岸田國士『留守』あらすじと感想
『留守(一幕)』作:岸田國士初出:1927年4月1日登場人物はお八重さん、おしまさん、八百屋さんの三人。二人の女中が主人の留守中にわーきゃーする。お八重さんの働く家では奥さんが病気がちで、周囲では御主人とお八重さんの間が怪しい、という噂がある。おしまさんがその ...
【戯曲】森本薫『みごとな女』あらすじと感想
『みごとな女』作:森本薫初出:1934年12月『女の一生』の森本薫の戯曲。みごとな女、であるあさ子の結婚の話が次第に進行していき、なんだか望まぬ結婚なんじゃないの?という感じの幕切れを迎える。この当時の、個人感の想いとは別の所にある「結婚」という出来事が描かれ ...
【戯曲】郡虎彦『鉄輪 丑の時詣りの小戯曲』あらすじと感想
『鉄輪 丑の時詣りの小戯曲』作:郡虎彦執筆:大正2年3月丑の刻詣り(藁人形に釘打つやつ)の戯曲。あらすじとしては、呪われそうな男が助けを求めて安倍晴明を訪ねるが「えーとね、無理」と言われて絶望する、というもの。なのだけれど、そこは郡虎彦の言葉の美しさ。飾ら ...
【戯曲】森本薫『かどで』あらすじと感想
『かどで』作:森本薫初演:1935年1月【Amazonで作者の本を探す】病弱な妻を看病する夫・外彦と、妻の母やす子。そこへ金の無心に来るやす子の弟・仙二郎。そして密かに外彦に思いを寄せる家政婦の千竫子の四人芝居。千竫子に冗談交じりに結婚を迫る仙二郎、外彦に頭が上がら ...
【戯曲】森本薫『ダムにて』あらすじと感想
『ダムにて』作:森本薫昭和7年【Amazonで本を探す】子供と大人が、ダムの上で会話。会話の中から、子供の母親は病気で、すごく孤独そうという感じがする。大人は一緒に三越へ行こう、一緒に暮らそうなんて誘う。子供の環境をよく知ってるから多分親戚だろうけど、なんか誘拐 ...
【戯曲】後藤雄一『ホワイトフラワーズ』
『ホワイトフラワーズ 後藤雄一短編脚本集1』作:後藤雄一2010年 木端堂ブックス演劇や朗読用にと書かれたという短編脚本集。幽霊・国際交流・SFなど色々なジャンルが収録されていて、男女のお話が多い。ジャンルは様々でも、どれもどこかに微妙なすれ違いが描かれていて、サ ...
【戯曲】太宰治『新ハムレット』あらすじと感想
『新ハムレット』作:太宰治初出:1941年「僕の疑惑は、僕が死ぬまで持ち続ける」太宰治が描くシェイクスピアの『ハムレット』『ハムレット』を下敷きに進んで行く感が序盤は色濃く、シーンの進行も「あのシーンだ!」となるのだけれど、中盤から登場人物たちが様々に愚痴り ...
【戯曲】菊池寛『敵討以上』あらすじと感想
『敵討以上』作:菊池寛初演:1920年3月/帝国劇場・文芸座「申すな。申すな。仮令出家致そうとも、主殺しの大罪は八逆の一つじゃわ。」読んでる途中で気付いたのですが、菊池寛の代表作『恩讐の彼方に』を本人が戯曲化した作品だそう。結構小説の戯曲化を沢山やってる作家な ...
【戯曲】菊池寛『時勢は移る』あらすじと感想
『時勢は移る』作:菊池寛初出:1922年1月初演:1924年3月・京都南座「私は無益な戦を止めて、松平家を救い、無用な血潮を流さないために、わざわざ走せ帰ったのです。」明治維新直前の動乱の時代をテーマにした戯曲。将軍家にずっと仕えてきた家が、どちらにつくのかで大騒 ...
【戯曲】菊池寛『時の氏神』あらすじと感想
『時の氏神』初出:1924年7月初演:1924年9月・演伎座「人生もそうです。遠方から見ると、美しくキレイに見えるのです。だが、その生活の中に立つと薄くて汚いのです。」作家の英作と妻のぬい子が夫婦喧嘩を繰り広げる中、ぬい子の従妹の芳子が訪ねてくる。夫婦喧嘩の末に家 ...
【戯曲】菊池寛『入れ札』あらすじと感想
『入れ札』作:菊池寛発表:1925年12月初演:1926年・市村座「弥助、かんにんしてくれ。意気地なしの卑怯者を、手前親分の代りに成敗してくれ!」赤城の山も今宵限り、でお馴染みの国定忠治。私は全然知らないのですが、その国定忠治の、まさに赤城の山も今宵限り、の辺りを ...
【戯曲】菊池寛『岩見重太郎(An Allegory)』あらすじと感想
『岩見重太郎(An Allegory)』作:菊池寛発表:1922年4月初演:1923年1月・浅草公園劇場「彼奴が居なければ、誰も死ななくて済んだのじゃ。馬鹿奴!」副題のAllegoryは「寓意」の意味。ある剣術道場に道場破りの荒くれ者六人が襲来。道場主は病で腕が動かず、弟子たちが勝負 ...
【読書&戯曲】『マルセ太郎読本―芸と魂・舞台裏・人間を語る』
『マルセ太郎読本―芸と魂・舞台裏・人間を語る』著:『マルセ太郎読本』刊行委員会2011年 クリエイツかもがわ【書籍情報はこちら】芸人・マルセ太郎さんについての色々な記録や、親しかった人たちによる回顧録がぎっちり詰まった、愛に溢れる一冊。「スクリーンのない映画館 ...








