『懐を傷めずに(一幕)』
原題:Sans-souci
作:トリスタン・ベルナアル
訳:岸田國士
発表:1898年

パリの劇場前のカフェで繰り広げられる喜劇。
レミュ夫妻とルシャポオ夫妻、他にカフェの給仕人など。
ルシャポオ夫妻はレミュ夫妻に招待券を渡し芝居に来ている。物語はカフェの代金をどちらが払うか、の影での攻防。そこから夫婦の関係性などが垣間見える面白いやりとり。
翻訳は岸田國士。外国の作家の本だけれど、やりとりがとても「岸田國士っぽーい!」となる戯曲だ。
水面下で展開される駆け引きという要素が、岸田っぽさか。
面白い。


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【収録】
『近代劇全集15』
昭和3年/第一書房


【ネタバレあらすじメモ】

パリ、劇場前のカフェ。

第一場
給仕人と帳場の女が、今日の稼ぎが悪いわ、営業時間の延長だわでぶつくさ言ってる。

第二場
レミュ夫妻とルシャポオ夫妻が来る。レミュはブリドニエを待っている。ルシャポオ夫妻、トイレへ。

第三場
レミュ夫妻はルシャポオに貰った招待券で芝居に来たようだ。レミュ夫人は夫に、カフェの代金を絶対に奢らないように、食事をしないように、と忠告する。

第四場
ルシャポオ夫妻が戻る。この夫妻も支払いをしないように打ち合わせていた様子。
四人は牽制し合いながらわずかに注文をする。牽制しつつ注文を重ね、最終的にはルシャポオが会計。微妙な空気感のまま、一同は店を後にする。