『役者になったスパイ』
原題:Moskau Einfach!
監督:ミヒャ・レビンスキー
製作:2020年 スイス
上映時間:102分
原題は「モスクワへの片道切符!」という意味。
ベルリンの壁崩壊周辺のスイスの様子を描く。共産主義の動きを警戒するスイスの警察が、怪しい動きをする劇団にスパイとして警察官(主人公)を送り込む。
劇団ではちょうどシェイクスピアの『十二夜』を稽古中で、警察官は出演者として稽古に潜入。
お芝居を作るうちに劇団の主演女優と親しくなり、劇団の仲間たちとも交流していき…。
という、ミイラ取りが楽しくミイラになる感じのお話。

「目立たないで誰の印象にも残らないのが本当のスパイだ」という序盤に出てくるセリフに「たしかに!」と思わされる。本来、目立っちゃいけないものだもんね、と思いつつ、ジェームズ・ボンドの事を考える。目立っても、強けりゃいいのか。
原題:Moskau Einfach!
監督:ミヒャ・レビンスキー
製作:2020年 スイス
上映時間:102分
原題は「モスクワへの片道切符!」という意味。
ベルリンの壁崩壊周辺のスイスの様子を描く。共産主義の動きを警戒するスイスの警察が、怪しい動きをする劇団にスパイとして警察官(主人公)を送り込む。
劇団ではちょうどシェイクスピアの『十二夜』を稽古中で、警察官は出演者として稽古に潜入。
お芝居を作るうちに劇団の主演女優と親しくなり、劇団の仲間たちとも交流していき…。
という、ミイラ取りが楽しくミイラになる感じのお話。

「目立たないで誰の印象にも残らないのが本当のスパイだ」という序盤に出てくるセリフに「たしかに!」と思わされる。本来、目立っちゃいけないものだもんね、と思いつつ、ジェームズ・ボンドの事を考える。目立っても、強けりゃいいのか。
潜入した先の劇団の主演女優・オディール・ヨーラを演じたミリアム・シュタインが、本当に良かった。
彼女の天真爛漫さに触れ、少しずつ主人公・ヴィクトールの心が動いていく様が良い。劇団が稽古している演目がシェイクスピアの『十二夜』というのも面白い。
変身の仕掛けがある戯曲に、実際に変身している人が出ている様が微妙に重ねられてくる。
主人公は急な配役変更でエキストラから、アントーニオというキャラクターを演じる事になる。愛に生きる男、アントーニオ。
なるほど、そこのイメージを重ねたかったのか。
主人公は最初は警官の役なんだけど、演技が下手っぴで演出家に「お前は警官なんだよ!警官になりきってやってみろ!」と言われた途端、本職の警官の動きをするシーンが、ユーモアがあって印象に残った。
この演出家、一昔前の典型的な「怒鳴る演出家」といった感じの人で、時代を感じる。
他にも時代の空気感をひしひしと感じるシーンは多く、歴史映画としても楽しめる作品だ。
なんせこの作品、実際に1989年に発覚した「フィッシュ・スキャンダル」という事件を扱っているのだ。
冷戦下、警察が90万人(国民の約10人に1人)の市民・外国人に対して監視記録を作っていた、という事件で、発覚後は警察権限の縮小・体制見直しに繋がる動きが強くなったんだとか。
実際この映画の監督は、学校の課題でシベリア鉄道について調べようとソ連大使館に電話したらリストに乗ったんだそう。
国が国民を監視下に置いた状態。そんな中でも仕事として「監視」を行う主人公。
そんな男が、人間を取り戻していく。かつ説教臭くない、爽やかな映画でした。
彼女の天真爛漫さに触れ、少しずつ主人公・ヴィクトールの心が動いていく様が良い。劇団が稽古している演目がシェイクスピアの『十二夜』というのも面白い。
変身の仕掛けがある戯曲に、実際に変身している人が出ている様が微妙に重ねられてくる。
主人公は急な配役変更でエキストラから、アントーニオというキャラクターを演じる事になる。愛に生きる男、アントーニオ。
なるほど、そこのイメージを重ねたかったのか。
主人公は最初は警官の役なんだけど、演技が下手っぴで演出家に「お前は警官なんだよ!警官になりきってやってみろ!」と言われた途端、本職の警官の動きをするシーンが、ユーモアがあって印象に残った。
この演出家、一昔前の典型的な「怒鳴る演出家」といった感じの人で、時代を感じる。
他にも時代の空気感をひしひしと感じるシーンは多く、歴史映画としても楽しめる作品だ。
なんせこの作品、実際に1989年に発覚した「フィッシュ・スキャンダル」という事件を扱っているのだ。
冷戦下、警察が90万人(国民の約10人に1人)の市民・外国人に対して監視記録を作っていた、という事件で、発覚後は警察権限の縮小・体制見直しに繋がる動きが強くなったんだとか。
実際この映画の監督は、学校の課題でシベリア鉄道について調べようとソ連大使館に電話したらリストに乗ったんだそう。
国が国民を監視下に置いた状態。そんな中でも仕事として「監視」を行う主人公。
そんな男が、人間を取り戻していく。かつ説教臭くない、爽やかな映画でした。
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