『私生活 まことに個人的な喜劇―三幕』
原題:PRIVATE LIVES
作:ノエル・カワード(1899〜1973)
発表:1930年
訳:森本薫

ノエル・カワードは俳優・作家・脚本家・演出家、作詞・作曲、映画監督と、実に色々な事を手掛けたクリエイター。
「人生はうわべだけのパーティー」が持論で、シリアスなものより洗練された喜劇を好んだとか。
1920年代のファッションリーダーでもあったそうで、首にスカーフを巻くスタイルやタートルネックセーターは彼が初めて舞台で披露したそう。
映画方面ではアカデミー賞の特別賞を受賞、脚本賞のノミネートもしている。
さらにはサーの称号も持ってる。多才すぎん?
第二次大戦の際には
「戦争は憎しみの舞台。芝居という魅力の舞台に立つ者には最も不向きなものだ」と当時の戦争支持ムードを批判。
それに対し友人のウィンストン・チャーチルが
「あんなやつ、戦場に行っても役に立たない。一人ぐらい恋だ愛だと歌っているヤツがいてもいい」
と弁護したとか。
そんな作家・ノエル・カワードの『私生活』を呼んだ。
本当に、喜劇のお手本のような洗練された喜劇。
エリオットとアマンダという、かつて恋人同士だった二人。
だがうまくいかず、現在エリオットはシビルという女性と、アマンダはヴィクターという男性と結婚し、ハネムーンに来ている。
そしてそのハネムーンの宿泊先のホテルで、この二組のカップルが隣同士の部屋、という喜劇も喜劇なシチュエーション。
三幕構成で、
一幕はホテルのベランダでエリオットとアマンダが偶然出会い愛を燃え上がらせ、お互いの婚約者から逃げ出す。
二幕はアマンダの持っているアパートで二人は衝突ばかりの日々を過ごす。
そして三幕でそのアパートに、二人の配偶者が訪れる、というもの。
かつて衝突ばかりで別れた二人が、結局くっついてもまた同じ事を繰り返す感じがもう「あるある」な感じだし、配偶者チームが加わって展開される最終幕では、お互いがお互いを攻撃したり擁護したり、人間関係が、人を思う気持ちによってコロッコロ変化していくのがとても面白くリズムがいい。
シェイクスピア「夏の夜の夢」の恋人たちのドタバタ(最高に面白いシーンだ)をずっと観ているような気持ちになれる。
私が読んだのは森本薫の翻訳。古さがまったくない。森本薫、結構翻訳やってたんだろうか。翻訳全集出ないかなぁ。出ないだろうなぁ、売れないだろうなぁ…。
【収録】
『現代世界戯曲選集』第11巻・イギリス篇2
1954年/白水社
【ネタバレあらすじメモ】
★第一幕★
フランスのあるホテルのテラス。
シビルとエリオット。
・二人はハネムーンに来ている
・エリオットの前妻はアマンダ
・エリオットはシビルの母が嫌い
・シビルはアマンダの事ばかり聞く
二人は部屋に入る。
入れ違いにヴィクターとアマンダがテラスに。
・ハネムーン中のヴィクターとアマンダ。
・ヴィクターはエリオットの事ばかり聞く
二人は部屋に入る。
エリオットが出てくる。ついでアマンダ。
・アマンダはエリオットに挨拶し部屋へ
シビルがテラスへ。
エリオット、シビル。
・エリオットは今すぐここを出ようと言う
・反対するシビルと喧嘩に
エリオットとシビル室内へ。
アマンダとヴィクター
・アマンダはすぐにここを出ようという
・アマンダもエリオットもパリへ行こうと口走っている
・アマンダはエリオットを見かけたと告白
ヴィクターは移動を不承知して帳場へ
エリオットとシビル
・シビルはエリオットの態度に絶望し泣いている
・シビルは食堂へ
・エリオットはタバコを吸い始める
アマンダがエリオットに声を掛ける
エリオット、アマンダ
・アマンダがエリオットにタバコを貰う
・二人は思い出話
・お互いに未練がありそう
・エリオットは愛情からアマンダを抱きしめる
・エリオット、二人で逃げる事を提案
・アマンダは皆で話そうという
・二人は車でパリに逃げる事にする
取るものとりあえず出ていく二人
ヴィクター、シビル
・それぞれ戻ってきたヴィクターとシビル
・テラスで会い、二人で酒を飲む
★第二幕★
数日後。パリのアマンダのアパート。
夜10時。
エリオット、アマンダ
・二人で暮らしている
・会わなかった間のパートナーの話
・シビルとヴィクターの話
・嫉妬しあい険悪に
・険悪になった時の合言葉「ソロックス」で落ち着き、喧嘩を防ぐ二人
・その後もたびたびソロックス
・ついに取っ組み合いの喧嘩
・二人は別の部屋に
途中からシビルとヴィクターが見ていた
★第三幕★
翌日朝8時頃
ルイーズ、ヴィクター、シビル
・お手伝いのルイーズが来る
・ヴィクターとシビルは部屋の前で寝ていた
・二人は事をどうかするために話したい
ルイーズは台所へ、アマンダ起きてくる
アマンダ、ヴィクター、シビル
・出かけようとするアマンダを止めるヴィクター
アマンダ部屋へ、エリオット出てくる
エリオット、ヴィクター、シビル
・シビルはエリオットに詰め寄る
・エリオット、すまないとは思ってる
アマンダ来る
アマンダ、エリオット、ヴィクター、シビル
・アマンダもやってくる
・アマンダはシビルを部屋へ連れて行く
エリオット、ヴィクター
・二人は口論に
・やがて喧嘩になりそう
・ヴィクターは訴えると言い出す
・そしてアマンダと結婚しろと
・アマンダとシビルが戻る
・険悪なアマンダとシビル
シビルはエリオットと部屋へ
ヴィクター、アマンダ
・エリオットを愛しているかと問うヴィクター
・アマンダは答えない
・アマンダを真面目にしようと話すヴィクター
・まだ愛してるとヴィクター
シビルとエリオット出てくる
ヴィクター、アマンダ、シビル、エリオット
・シビルは離婚を一年延ばす
・皆で話している
・エリオットはアマンダにウィンク
・シビルとヴィクターが喧嘩を始める
・喧嘩を見て笑うエリオットとアマンダ
・やがてどつきあうヴィクターとシビル
アマンダとエリオットは二人、笑いながら出ていく
幕
原題:PRIVATE LIVES
作:ノエル・カワード(1899〜1973)
発表:1930年
訳:森本薫

「二つのうち、どちらかを選択するほかない。一緒に逃げるか……それとも、ここにいて……二度と顔を合さないようにするか……」イギリスの劇作家・ノエル・カワードの作品。
ノエル・カワードは俳優・作家・脚本家・演出家、作詞・作曲、映画監督と、実に色々な事を手掛けたクリエイター。
「人生はうわべだけのパーティー」が持論で、シリアスなものより洗練された喜劇を好んだとか。
1920年代のファッションリーダーでもあったそうで、首にスカーフを巻くスタイルやタートルネックセーターは彼が初めて舞台で披露したそう。
映画方面ではアカデミー賞の特別賞を受賞、脚本賞のノミネートもしている。
さらにはサーの称号も持ってる。多才すぎん?
第二次大戦の際には
「戦争は憎しみの舞台。芝居という魅力の舞台に立つ者には最も不向きなものだ」と当時の戦争支持ムードを批判。
それに対し友人のウィンストン・チャーチルが
「あんなやつ、戦場に行っても役に立たない。一人ぐらい恋だ愛だと歌っているヤツがいてもいい」
と弁護したとか。
そんな作家・ノエル・カワードの『私生活』を呼んだ。
本当に、喜劇のお手本のような洗練された喜劇。
エリオットとアマンダという、かつて恋人同士だった二人。
だがうまくいかず、現在エリオットはシビルという女性と、アマンダはヴィクターという男性と結婚し、ハネムーンに来ている。
そしてそのハネムーンの宿泊先のホテルで、この二組のカップルが隣同士の部屋、という喜劇も喜劇なシチュエーション。
三幕構成で、
一幕はホテルのベランダでエリオットとアマンダが偶然出会い愛を燃え上がらせ、お互いの婚約者から逃げ出す。
二幕はアマンダの持っているアパートで二人は衝突ばかりの日々を過ごす。
そして三幕でそのアパートに、二人の配偶者が訪れる、というもの。
かつて衝突ばかりで別れた二人が、結局くっついてもまた同じ事を繰り返す感じがもう「あるある」な感じだし、配偶者チームが加わって展開される最終幕では、お互いがお互いを攻撃したり擁護したり、人間関係が、人を思う気持ちによってコロッコロ変化していくのがとても面白くリズムがいい。
シェイクスピア「夏の夜の夢」の恋人たちのドタバタ(最高に面白いシーンだ)をずっと観ているような気持ちになれる。
私が読んだのは森本薫の翻訳。古さがまったくない。森本薫、結構翻訳やってたんだろうか。翻訳全集出ないかなぁ。出ないだろうなぁ、売れないだろうなぁ…。
【収録】
『現代世界戯曲選集』第11巻・イギリス篇2
1954年/白水社
【ネタバレあらすじメモ】
★第一幕★
フランスのあるホテルのテラス。
シビルとエリオット。
・二人はハネムーンに来ている
・エリオットの前妻はアマンダ
・エリオットはシビルの母が嫌い
・シビルはアマンダの事ばかり聞く
二人は部屋に入る。
入れ違いにヴィクターとアマンダがテラスに。
・ハネムーン中のヴィクターとアマンダ。
・ヴィクターはエリオットの事ばかり聞く
二人は部屋に入る。
エリオットが出てくる。ついでアマンダ。
・アマンダはエリオットに挨拶し部屋へ
シビルがテラスへ。
エリオット、シビル。
・エリオットは今すぐここを出ようと言う
・反対するシビルと喧嘩に
エリオットとシビル室内へ。
アマンダとヴィクター
・アマンダはすぐにここを出ようという
・アマンダもエリオットもパリへ行こうと口走っている
・アマンダはエリオットを見かけたと告白
ヴィクターは移動を不承知して帳場へ
エリオットとシビル
・シビルはエリオットの態度に絶望し泣いている
・シビルは食堂へ
・エリオットはタバコを吸い始める
アマンダがエリオットに声を掛ける
エリオット、アマンダ
・アマンダがエリオットにタバコを貰う
・二人は思い出話
・お互いに未練がありそう
・エリオットは愛情からアマンダを抱きしめる
・エリオット、二人で逃げる事を提案
・アマンダは皆で話そうという
・二人は車でパリに逃げる事にする
取るものとりあえず出ていく二人
ヴィクター、シビル
・それぞれ戻ってきたヴィクターとシビル
・テラスで会い、二人で酒を飲む
★第二幕★
数日後。パリのアマンダのアパート。
夜10時。
エリオット、アマンダ
・二人で暮らしている
・会わなかった間のパートナーの話
・シビルとヴィクターの話
・嫉妬しあい険悪に
・険悪になった時の合言葉「ソロックス」で落ち着き、喧嘩を防ぐ二人
・その後もたびたびソロックス
・ついに取っ組み合いの喧嘩
・二人は別の部屋に
途中からシビルとヴィクターが見ていた
★第三幕★
翌日朝8時頃
ルイーズ、ヴィクター、シビル
・お手伝いのルイーズが来る
・ヴィクターとシビルは部屋の前で寝ていた
・二人は事をどうかするために話したい
ルイーズは台所へ、アマンダ起きてくる
アマンダ、ヴィクター、シビル
・出かけようとするアマンダを止めるヴィクター
アマンダ部屋へ、エリオット出てくる
エリオット、ヴィクター、シビル
・シビルはエリオットに詰め寄る
・エリオット、すまないとは思ってる
アマンダ来る
アマンダ、エリオット、ヴィクター、シビル
・アマンダもやってくる
・アマンダはシビルを部屋へ連れて行く
エリオット、ヴィクター
・二人は口論に
・やがて喧嘩になりそう
・ヴィクターは訴えると言い出す
・そしてアマンダと結婚しろと
・アマンダとシビルが戻る
・険悪なアマンダとシビル
シビルはエリオットと部屋へ
ヴィクター、アマンダ
・エリオットを愛しているかと問うヴィクター
・アマンダは答えない
・アマンダを真面目にしようと話すヴィクター
・まだ愛してるとヴィクター
シビルとエリオット出てくる
ヴィクター、アマンダ、シビル、エリオット
・シビルは離婚を一年延ばす
・皆で話している
・エリオットはアマンダにウィンク
・シビルとヴィクターが喧嘩を始める
・喧嘩を見て笑うエリオットとアマンダ
・やがてどつきあうヴィクターとシビル
アマンダとエリオットは二人、笑いながら出ていく
幕
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