『自由なファンシィ』
作：スタンリ・ハウトン（1881〜1913）
訳：小山内薫
執筆：1911年3月

「それは気の毒な。僕は心から君にお悔みを言う。」

夫婦間で不倫は自由に、という契約をしている女・ファンシィはアルフレッドという男性と駆落ちでホテルにいる。そこへファンシィの夫のエセルバアトがやってきて…。

修羅場！？という展開から思わぬ方向に進んでいく自由なコメディ。面白い。



【収録】
『近代劇全集』
昭和3年／第一書房



【ネタバレあらすじメモ】

ホテルの一室。
美女・ファンシィとアルフレッド。駆落ちしている。
ファンシィは夫のエセルバアトの元を飛び出しアルフレッドと一緒にいる。が、夫婦間の契約でそれは自由なのだ、と夫に手紙を書いている。離婚を促すアルフレッドと、のらりくらりのファンシィ。ファンシィは手紙の続きを書くために自室へ。
するとアルフレッドを訪ねてくるエセルバアト。
エセルバアトは妻が他の男を好きになっていると思っている事を告げる。でも、気にしない、と。アルフレッドが駆落ちを告白するとエセルバアトは気の毒がる。妻は金遣いが荒いから困るぞ、と。アルフレッドはファンシィを返そうと言うが、エセルバアトは自分もデライアという女性とここに来ているから困るという。
ファンシィが入ってくる。アルフレッドはエセルバアトの浮気を告げるとファンシィ怒る。
さらにデライア入ってくる。デライアは全てを知り、エセルバアトの会話がつまらな過ぎる、行儀が悪いと文句を言う。ファンシィはエセルバアトの美点を上げ、彼を連れて出て行く。
残ったアルフレッドとデライアが良い感じになる。

幕