『お気に召すまま』
作:ウィリアム・シェイクスピア
執筆:1599年
訳:松岡和子
権力者から妬まれ男装して森へ逃亡するロザリンド。
ロザリンドに恋するオーランドーは、森で出会ったギャニミード(実は男装したロザリンド)の提案で、彼をロザリンドに見立て、恋のリハーサルを開始する…。
不当に居場所を追われた若者たちが森で出会い、本来の姿を取り戻す、お祭り感に溢れたシェイクスピア戯曲。ラストは婚姻の神様も登場し、変装も解かれ、カップルも大量に誕生し、万事が目出度すぎるほどに目出度く解決される。読んでいて清々しい。
変装って、そんなにバレないものなの?というツッコミはしまっておこう。
始終気分が塞いでいるジェイクイズの
シェイクスピア作品には、世界を劇場に例えたセリフが沢山登場する。
以前にも一度読んだことのある戯曲だが、最初に触れた時にはちっとも面白いと思わなかった、悲劇好きな自分なのですが、今回改めて読んでみると、こりゃ面白い!となったので、年月とは不思議なもの。
シェイクスピアの喜劇、そこまで刺さる物がなかったんですが、これは改めて色々読んでみたい。
『夏の夜の夢』は鉄板で面白いんですけどね。

【収録】
シェイクスピア全集15
『お気に召すまま』
訳:松岡和子
2007年 ちくま文庫
★Amazon商品ページはこちら★

【ネタバレあらすじメモ】
★第一幕★
第一場 オリヴァー邸の庭園
オーランドーが召使のアダムに話しかける。彼は三兄弟の一番下だが、長男が自分を不当に扱うことに憤っている。
長男のオリヴァーが来る。オーランドーを見下した態度にオーランドーは物申す。オーランドーとアダム去る。
レスラーのチャールズが訪ねてくる。彼は追放になった公爵がアーデンの森で暮らしていること、公爵の娘・ロザリンドの事などを話しつつ、明日の新公爵御前試合のレスリングでオーランドーと闘う事を告げる。オリヴァーは手加減するなと伝える。
オリヴァー一人。彼はオーランドーに嫉妬を、危機を感じているのだ。
第二場 公爵の宮殿前の芝地
現公爵の娘・シーリアは、落ち込んでいる前公爵の娘・ロザリンドを励ます。自分の父が無理矢理奪った地位は、父が死んだらあなたに返す、元気を出して、と。ロザリンドは悲しみを忘れるため恋の遊びをしようとする。
そこへ道化のタッチストーンがやってきてやりとり。
続いて宮廷人ル・ボー登場。ルボーはレスリングが白熱して死人まで出ている事を報告。レスリング会場がこの場へ移ってくる。
オーランドーを見たシーリア、ロザリンドは、夢中で彼を応援。レスリングに勝つオーランドー。公爵に名を問われ、ボイス家の者と答えると、ボイス家と対立する公爵はがっかりして去る。
ロザリンドは、オーランドーにネックレスを渡す。言葉が出ないオーランドー。
ル・ボーが戻ってきて、公爵がオーランドーをあまり良く思っていないから去るようにと告げる。オーランドーは先程の女性の素性を訪ねると、前公爵の娘、という情報を得る。
彼はロザリンドに恋をする。
第三場 宮殿の一室
ロザリンドとシーリアが恋バナしてる。
公爵はやってきて、ロザリンドに出ていくように告げる。さもなくば死刑だと。シーリアは嘆願するが、父はロザリンドのせいでお前の評判が落ちているから、と聞かずに去る。
シーリアはロザリンドと共にアーデンの森に逃げ込む決意をする。女の旅は危険なのでと、ロザリンドは男装しギャニミードと名を変えることに。シーリアはエイリーナと名を変え、さらに道化のタッチストーンを供に連れて行くつもり。
★第二幕★
第一場 アーデンの森
前公爵が貴族らと共に鹿狩りをしようとする。鬱ぎ屋のジェイクイズが鹿狩りを非難していると聞き、前公爵は彼と話してみたくなる。
第二場 宮殿の一室
フレデリック公爵は娘とロザリンドがいなくなってかんかん。先日優勝したレスラー(オーランドー)の側にいるに違いないという噂を聞き、彼に捕縛命令を出す。いなければ兄を捕まえてそいつに探し出させろ、と。
第三場 オリヴァーの邸の前
家に入ろうとするオーランドーをアダムが止める。レスリングの評判に嫉妬したオリヴァーがオーランドーを殺す気だから逃げろと告げる。自分も供をするからと。
第四場 アーデンの森
ロザリンドたちは森でへとへとに疲れている。
羊飼いのコリンとシルヴィアス。シルヴィアスはフィービーという女に惚れていることを告白、見向きもされないことに嘆いて去る。
ロザリンドらは、羊飼いのコリンに頼んで住むところを手配してもらう。
第五場 森
ジェイクイズは森で前公爵を避けて歌を聴いている。
第六場 森
オーランドーとアダム。年老いたアダムはへとへと。
第七場 森
ジェイクイズと前公爵が話していると、食べ物を求めるオーランドーが強盗のようにやってくる。前公爵はゆっくり話を聞き、食べ物を分けると約束する。
ジェイクイズが世界を劇場になぞらえた長台詞を発する。オーランドーはアダムを連れて戻り、食事に。前公爵は彼の父がかつての自分の友と知り、可愛がる。
★第三幕★
第一場 宮殿の一室
オーランドーを見つけられず現公爵に追放されるオリヴァー。
第二場 森
オーランドーはロザリンドへの恋のメッセージを木に彫る。
羊飼いのコリンとタッチストーンが色々くだらない会話をする。
と、今はコリンの主人のギャニミード(ロザリンド)が来る。
ロザリンドは木のメッセージを見る。シーリアも木のメッセージを読みながらやってくる。タッチストーンとコリンを去らせ、二人は話す。シーリアは、メッセージの主がオーランドーだとロザリンドに告げる。きゃっきゃするロザリンド。
そこへオーランドーとジェイクイズ。二人は恋について話し、やや対立。ジェイクイズ去る。
ロザリンドはギャニミードとしてオーランドーに話しかける。恋の悩みを聞き出し、自分は恋の治療が出来ると告げる。自分をロザリンドと呼び口説き続ければ、やがて恋の病は治療される、と。話に乗るオーランドー。
第三場 森
タッチストーンとオードリーがじゃれ合っているのを聞いているジェイクイズ。二人は結婚するとか。
牧師のマーテクストが来る。結婚のために呼ばれたのだが、ジェイクイズはもっと良い所で式を挙げろとすすめ、マーテクストを残して一同去る。
第四場 森
ギャニミードは、オーランドーが約束通りの時間に来なかったとシーリアに嘆く。
コリンが、羊飼いの恋の顛末を見守らないかと誘いにくる。出かける一同。
第五場 森
シルヴィアスが「君の目は僕を殺す」と言ったのを文字通りに受け取り憤慨しているフィービー。
そこへギャニミードがやってきて、シルヴィアスを大事にしてやれと説教し去る。
フィービーはギャニミードに恋をし、彼への手紙をシルヴィアスに運ばせようとする。
★第四幕★
第一場 森
ギャニミードとジェイクイズが話している。ジェイクイズは去り、そこへオーランドー。
オーランドーとギャニミードは「恋の治療」を進める。ギャニミードをロザリンドと呼び、愛の言葉をかけ、疑似結婚式を進めるが、前公爵との食事の時間だと抜けるオーランドー。
ロザリンドはより愛が深まって苦しそう。
第二場 森
ジェイクイズと鹿狩りの一行が出会う。
第三場 森
ロザリンドとシーリア。約束の時間になってもオーランドーが戻らないことにやきもき。
シルヴィアスがフィービーからの手紙を持ってやってくるが、ギャニミードは怒り、自分を愛しているならシルヴィアスを愛するように命令する、と伝言を持たせ帰す。
と、オリヴァーが血まみれのハンカチを持ちやってくる。彼はロザリンドとシーリアに語る。自分がヘビとライオンに襲われて危うかったところにオーランドーが現れ、助けてくれた、その際の傷で倒れ、約束の時間に間に合わなかったのだと伝言を頼まれたと。オーランドーに助けられたことで自分はすっかり改心したのだと。
ロザリンドは卒倒しそうになるが持ちこたえる。
★第五幕★
第一場 森
タッチストーンとオードリー。
オードリーと結婚したい男が森にいるらしい。
ウィリアムという男がそうらしいが、タッチストーンは彼を脅しつけて諦めさせる。
コリンがタッチストーンを呼びに来る。
第二場 森
オリヴァーはエイリーナ(シーリア)に惚れて結婚の約束をした、財産も放棄して羊飼いとして生きる、とオーランドーに告白。
オリヴァーは去り、ロザリンド来る。
オーランドーの傷をいたわるロザリンド。ロザリンドは、魔術で明日、ロザリンドに会わせてやると彼に言う。
そこへシルヴィアスとフィービー。四人はそれぞれ恋心を言葉にする面白い場面。
ロザリンドはオーランドーとシルヴィアスに、明日幸せが来ると告げる。
第三場 森
タッチストーンとオードリーも明日結婚の予定。
前公爵の小姓たちが合流し、歌う。
第四場 森
前公爵らとオーランドーたち。一同はロザリンドの言葉を信じ待つ。
そこへロザリンド、シルヴィアス、フィービー。前公爵は、ギャニミードがロザリンドを連れてくればオーランドーと結婚させるという。フィービーはギャニミードがその気なら彼と結婚したい。その結婚を自ら断るならシルヴィアスと結婚するという。シルヴィアスはフィービーがその気なら結婚するという。
その全てを丸く治めるとギャニミードは宣言。そしてロザリンドとシーリアは退場。
タッチストーンとオードリーが来る。タッチストーンが道化の知恵を披露。
婚姻の神ハイメンに連れられて、ロザリンドとシーリアが来る。
そしてオーランドーとロザリンド、オリヴァーとシーリア、シルヴィアスとフィービー、タッチストーンとオードリーが結ばれる。
ボイス家の次男ジェイキス(オーランドーたちの兄弟)が現れ、現公爵が前公爵を討つために森に出陣したこと、そこで隠者に会い、気持ちが変わって世を捨て、領地も返還することを決心した、という知らせを持ってくる。めでたい場に自分はそぐわないと、ジェイクイズは世捨て人ジェイキスへの弟子入りを決意し、去る。宴が続く。
★エピローグ★
ロザリンドのみ残り、役者として観客に語りかける。
幕
作:ウィリアム・シェイクスピア
執筆:1599年
訳:松岡和子
「私はこの世界で一人分の場所をふさいでいるだけの男です。そこが空になれば、もっとましな人間が埋めてくれるでしょう。」兄の嫉妬と殺意から逃れるためにアーデンの森に逃げ込んだオーランドー。
「この世界すべてが一つの舞台、人はみな男も女も役者にすぎない」
権力者から妬まれ男装して森へ逃亡するロザリンド。
ロザリンドに恋するオーランドーは、森で出会ったギャニミード(実は男装したロザリンド)の提案で、彼をロザリンドに見立て、恋のリハーサルを開始する…。
不当に居場所を追われた若者たちが森で出会い、本来の姿を取り戻す、お祭り感に溢れたシェイクスピア戯曲。ラストは婚姻の神様も登場し、変装も解かれ、カップルも大量に誕生し、万事が目出度すぎるほどに目出度く解決される。読んでいて清々しい。
変装って、そんなにバレないものなの?というツッコミはしまっておこう。
始終気分が塞いでいるジェイクイズの
「この世界すべてが一つの舞台、人はみな男も女も役者にすぎない」という台詞は、シェイクスピア作品の中でもトップクラスに有名な台詞だとか。
シェイクスピア作品には、世界を劇場に例えたセリフが沢山登場する。
以前にも一度読んだことのある戯曲だが、最初に触れた時にはちっとも面白いと思わなかった、悲劇好きな自分なのですが、今回改めて読んでみると、こりゃ面白い!となったので、年月とは不思議なもの。
シェイクスピアの喜劇、そこまで刺さる物がなかったんですが、これは改めて色々読んでみたい。
『夏の夜の夢』は鉄板で面白いんですけどね。

【収録】
シェイクスピア全集15
『お気に召すまま』
訳:松岡和子
2007年 ちくま文庫
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【ネタバレあらすじメモ】
★第一幕★
第一場 オリヴァー邸の庭園
オーランドーが召使のアダムに話しかける。彼は三兄弟の一番下だが、長男が自分を不当に扱うことに憤っている。
長男のオリヴァーが来る。オーランドーを見下した態度にオーランドーは物申す。オーランドーとアダム去る。
レスラーのチャールズが訪ねてくる。彼は追放になった公爵がアーデンの森で暮らしていること、公爵の娘・ロザリンドの事などを話しつつ、明日の新公爵御前試合のレスリングでオーランドーと闘う事を告げる。オリヴァーは手加減するなと伝える。
オリヴァー一人。彼はオーランドーに嫉妬を、危機を感じているのだ。
第二場 公爵の宮殿前の芝地
現公爵の娘・シーリアは、落ち込んでいる前公爵の娘・ロザリンドを励ます。自分の父が無理矢理奪った地位は、父が死んだらあなたに返す、元気を出して、と。ロザリンドは悲しみを忘れるため恋の遊びをしようとする。
そこへ道化のタッチストーンがやってきてやりとり。
続いて宮廷人ル・ボー登場。ルボーはレスリングが白熱して死人まで出ている事を報告。レスリング会場がこの場へ移ってくる。
オーランドーを見たシーリア、ロザリンドは、夢中で彼を応援。レスリングに勝つオーランドー。公爵に名を問われ、ボイス家の者と答えると、ボイス家と対立する公爵はがっかりして去る。
ロザリンドは、オーランドーにネックレスを渡す。言葉が出ないオーランドー。
ル・ボーが戻ってきて、公爵がオーランドーをあまり良く思っていないから去るようにと告げる。オーランドーは先程の女性の素性を訪ねると、前公爵の娘、という情報を得る。
彼はロザリンドに恋をする。
第三場 宮殿の一室
ロザリンドとシーリアが恋バナしてる。
公爵はやってきて、ロザリンドに出ていくように告げる。さもなくば死刑だと。シーリアは嘆願するが、父はロザリンドのせいでお前の評判が落ちているから、と聞かずに去る。
シーリアはロザリンドと共にアーデンの森に逃げ込む決意をする。女の旅は危険なのでと、ロザリンドは男装しギャニミードと名を変えることに。シーリアはエイリーナと名を変え、さらに道化のタッチストーンを供に連れて行くつもり。
★第二幕★
第一場 アーデンの森
前公爵が貴族らと共に鹿狩りをしようとする。鬱ぎ屋のジェイクイズが鹿狩りを非難していると聞き、前公爵は彼と話してみたくなる。
第二場 宮殿の一室
フレデリック公爵は娘とロザリンドがいなくなってかんかん。先日優勝したレスラー(オーランドー)の側にいるに違いないという噂を聞き、彼に捕縛命令を出す。いなければ兄を捕まえてそいつに探し出させろ、と。
第三場 オリヴァーの邸の前
家に入ろうとするオーランドーをアダムが止める。レスリングの評判に嫉妬したオリヴァーがオーランドーを殺す気だから逃げろと告げる。自分も供をするからと。
第四場 アーデンの森
ロザリンドたちは森でへとへとに疲れている。
羊飼いのコリンとシルヴィアス。シルヴィアスはフィービーという女に惚れていることを告白、見向きもされないことに嘆いて去る。
ロザリンドらは、羊飼いのコリンに頼んで住むところを手配してもらう。
第五場 森
ジェイクイズは森で前公爵を避けて歌を聴いている。
第六場 森
オーランドーとアダム。年老いたアダムはへとへと。
第七場 森
ジェイクイズと前公爵が話していると、食べ物を求めるオーランドーが強盗のようにやってくる。前公爵はゆっくり話を聞き、食べ物を分けると約束する。
ジェイクイズが世界を劇場になぞらえた長台詞を発する。オーランドーはアダムを連れて戻り、食事に。前公爵は彼の父がかつての自分の友と知り、可愛がる。
★第三幕★
第一場 宮殿の一室
オーランドーを見つけられず現公爵に追放されるオリヴァー。
第二場 森
オーランドーはロザリンドへの恋のメッセージを木に彫る。
羊飼いのコリンとタッチストーンが色々くだらない会話をする。
と、今はコリンの主人のギャニミード(ロザリンド)が来る。
ロザリンドは木のメッセージを見る。シーリアも木のメッセージを読みながらやってくる。タッチストーンとコリンを去らせ、二人は話す。シーリアは、メッセージの主がオーランドーだとロザリンドに告げる。きゃっきゃするロザリンド。
そこへオーランドーとジェイクイズ。二人は恋について話し、やや対立。ジェイクイズ去る。
ロザリンドはギャニミードとしてオーランドーに話しかける。恋の悩みを聞き出し、自分は恋の治療が出来ると告げる。自分をロザリンドと呼び口説き続ければ、やがて恋の病は治療される、と。話に乗るオーランドー。
第三場 森
タッチストーンとオードリーがじゃれ合っているのを聞いているジェイクイズ。二人は結婚するとか。
牧師のマーテクストが来る。結婚のために呼ばれたのだが、ジェイクイズはもっと良い所で式を挙げろとすすめ、マーテクストを残して一同去る。
第四場 森
ギャニミードは、オーランドーが約束通りの時間に来なかったとシーリアに嘆く。
コリンが、羊飼いの恋の顛末を見守らないかと誘いにくる。出かける一同。
第五場 森
シルヴィアスが「君の目は僕を殺す」と言ったのを文字通りに受け取り憤慨しているフィービー。
そこへギャニミードがやってきて、シルヴィアスを大事にしてやれと説教し去る。
フィービーはギャニミードに恋をし、彼への手紙をシルヴィアスに運ばせようとする。
★第四幕★
第一場 森
ギャニミードとジェイクイズが話している。ジェイクイズは去り、そこへオーランドー。
オーランドーとギャニミードは「恋の治療」を進める。ギャニミードをロザリンドと呼び、愛の言葉をかけ、疑似結婚式を進めるが、前公爵との食事の時間だと抜けるオーランドー。
ロザリンドはより愛が深まって苦しそう。
第二場 森
ジェイクイズと鹿狩りの一行が出会う。
第三場 森
ロザリンドとシーリア。約束の時間になってもオーランドーが戻らないことにやきもき。
シルヴィアスがフィービーからの手紙を持ってやってくるが、ギャニミードは怒り、自分を愛しているならシルヴィアスを愛するように命令する、と伝言を持たせ帰す。
と、オリヴァーが血まみれのハンカチを持ちやってくる。彼はロザリンドとシーリアに語る。自分がヘビとライオンに襲われて危うかったところにオーランドーが現れ、助けてくれた、その際の傷で倒れ、約束の時間に間に合わなかったのだと伝言を頼まれたと。オーランドーに助けられたことで自分はすっかり改心したのだと。
ロザリンドは卒倒しそうになるが持ちこたえる。
★第五幕★
第一場 森
タッチストーンとオードリー。
オードリーと結婚したい男が森にいるらしい。
ウィリアムという男がそうらしいが、タッチストーンは彼を脅しつけて諦めさせる。
コリンがタッチストーンを呼びに来る。
第二場 森
オリヴァーはエイリーナ(シーリア)に惚れて結婚の約束をした、財産も放棄して羊飼いとして生きる、とオーランドーに告白。
オリヴァーは去り、ロザリンド来る。
オーランドーの傷をいたわるロザリンド。ロザリンドは、魔術で明日、ロザリンドに会わせてやると彼に言う。
そこへシルヴィアスとフィービー。四人はそれぞれ恋心を言葉にする面白い場面。
ロザリンドはオーランドーとシルヴィアスに、明日幸せが来ると告げる。
第三場 森
タッチストーンとオードリーも明日結婚の予定。
前公爵の小姓たちが合流し、歌う。
第四場 森
前公爵らとオーランドーたち。一同はロザリンドの言葉を信じ待つ。
そこへロザリンド、シルヴィアス、フィービー。前公爵は、ギャニミードがロザリンドを連れてくればオーランドーと結婚させるという。フィービーはギャニミードがその気なら彼と結婚したい。その結婚を自ら断るならシルヴィアスと結婚するという。シルヴィアスはフィービーがその気なら結婚するという。
その全てを丸く治めるとギャニミードは宣言。そしてロザリンドとシーリアは退場。
タッチストーンとオードリーが来る。タッチストーンが道化の知恵を披露。
婚姻の神ハイメンに連れられて、ロザリンドとシーリアが来る。
そしてオーランドーとロザリンド、オリヴァーとシーリア、シルヴィアスとフィービー、タッチストーンとオードリーが結ばれる。
ボイス家の次男ジェイキス(オーランドーたちの兄弟)が現れ、現公爵が前公爵を討つために森に出陣したこと、そこで隠者に会い、気持ちが変わって世を捨て、領地も返還することを決心した、という知らせを持ってくる。めでたい場に自分はそぐわないと、ジェイクイズは世捨て人ジェイキスへの弟子入りを決意し、去る。宴が続く。
★エピローグ★
ロザリンドのみ残り、役者として観客に語りかける。
幕
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