『アガサ・クリスティー自伝(下)』
著:アガサ・クリスティー
訳:乾信一郎
2004年/早川書房クリスティー文庫
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昔読んだアガサ・クリスティーの自伝の下巻。

第六部 世界一周
第七部 失われた満足の地
第八部 二度目の春
第九部 マックスとの生活
第十部 第二次世界大戦
第十一部 秋

という項目。

出来ること出来ないこと、好き嫌いリストの話が面白い。再婚した考古学者の旦那さんと色んな土地に行く話が多くて、作品の景色が立ち上がっていく感じがする。

かなりクセモノっぽい感じの人柄が見えてくるのは上巻と同様。


【言葉メモ】

76「仕事の適正な報酬について少しも知らないような、そんな人は愚かなのだ」
「一度信頼した人々に失望したら、もはやそれ以上信頼する気にはなれない。これはほんの常識である」
112「作家の批評は、自分だったらこんなふうに書いたであろうという範囲にかぎられていて、それは他の作家にとって正しいということにはならない。わたしたちは自己を表現するのにすべて自分自身のやり方を持っているものである。」
114作家へのアドバイス。
138母の死と神経衰弱。
147離婚。
173「安全でまた自分が知っているものばかりにしがみついているか、それとも、自分から進んで、自分のことをするか」
270「わたしはわたしであることを知っているので、いうなら、わたしにやれることしかできないし、わたしがしたいと思うことしかわたしにはできない。」
315激しい気質を持っているとみせかけておくのはいいことですよ、たとえ実際にはそうでなくても。
334無慈悲さもなし、残虐無情もなし、あわれみの完全欠如もなしでは、おそらく人は存続し得なかったことだろう
502作家は内気な人たちであるー励ましが必要なのである。