『INDEPENDENT:4SeasonSelection/JAPAN TOUR 東京公演』

日程:2021年7月22日(木)〜25日(日)
料金︰3000円
会場:シアター風姿花伝


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大阪発の一人芝居イベント、
f・h・e・a演目を鑑賞。

それぞれ

[f]「夜嵐のさめて跡なし花の夢」
出演・演出:ドヰタイジ(STAR☆JACKS)×脚本:浜口望海(STAR☆JACKS)
2020年初演/本拠地:大阪

[h]「頬に雨がおちたから」
出演:ヒロシエリ(旧名:廣瀬詩映莉)×脚本・演出:イトウワカナ(intro)
2017年初演/本拠地:東京 with 大阪

[e]「このカラダ|エティエンヌ・ドゥクルー作『瞑想』」
出演・構成・演出:巣山賢太郎(tarinainanika)×演助:タニア・コーク(tarinainanika)
2020年初演/本拠地:大阪

[a]「Phish Heaven」
出演:有元はるか(カヨコの大発明)×脚本:二朗松田(カヨコの大発明)×演出:南参(yhs) 
2019年初演/本拠地:大阪 with 札幌

という演目。

一人芝居、という点では同じだけれど4演目それぞれが全く違う個性で、本当に、一人芝居って良いものですねぇ、という気持ち。

語り/体力消耗/肉体/歌
というそれぞれの武器が光っていた。

『夜嵐のさめて跡なし花の夢』
は「ネオ講談」と称し、首斬役の主人公と、役者に恋をした人妻の物語。

時代物の良い話、これは鉄板の脚本に、語りの技量が光る。
所々立ってアクションが混じる「ネオ」も効果的。
場所も時間も自由に移動、一人芝居というジャンルにおいての語りの強さ。
そして落語・講談という確立されたスタイル。
面白い。

頬に雨がおちたから』
は、開始早々、マラソンか何かの競技らしく、ずっと演劇特有のその場走りが始まり、
終演までほぼほぼその場走りが継続される、
という、「体力消耗が見世物になる」スタイルの一人芝居。これ系は割と好きなのだけれど、もっと疲れが表に出ても面白いかな、とも思った。
芝居の芸風が強引に笑いを取りに来るので、肌に合わないとつらいか。

『Phish Heaven
はレコーディングスタジオを舞台に、コーラス歌手が暴れまわる。
実際にはその場にいない人物に話しかけ、会話が行われている態で進んでいくオーソドックスな型だが、
その合間合間にマイクに向かい魚の名前を連呼する歌をレコーディング。
次第に次にスタジオにやってくるメインボーカルとの仕事の、恋愛の確執が見えてくる。
ラストでまさかの伏線回収コーラスが大いに盛り上がる華やかな一人芝居。



そして、
これについては長く書きたい。

『このカラダ|エティエンヌ・ドゥクルー作『瞑想』』
出演・構成・演出:巣山賢太郎(tarinainanika)×演助:タニア・コーク(tarinainanika)
2020年初演/本拠地:大阪

本拠地を大阪に移したコーポリアルマイムユニット
tarinainanika
の久しぶりの東京公演。
これを目当てに足を運んだわけでありますが、
なんというか物凄かった。

コーポリアルマイムは、エティエンヌ・ドゥクルーという人物が
「役者は脚本や装置に頼らなくても単独で芸術体として舞台上に存在すべき」
という理念のもとに開発した身体表現で、
tarinainanikaは「思考する身体」というキャッチコピーで、コーポリアルマイム公演だったり教室を行っているんですね。
私も教室に一時期通ったり、ヨーロッパツアーにご一緒したりしたのですが…

今回の
『このカラダ|エティエンヌ・ドゥクルー作『瞑想』』
は、まさに思考する身体が、「単体として圧倒的な芸術」として舞台上に存在し続ける、
というなんともグレートな演目でした。

エティエンヌ・ドゥクルーは様々な振付(と読んでいいのか分かりませんが)を遺していて、
それは演目としてそれぞれ名前がつけられている。
これをたしか、「フィギュア」と呼んでいたと思うのですが、
カンナがけをする大工の所作だったり、縫い物をする女の所作だったり、色々なものがあるのです。

今回の演目もエティエンヌ・ドゥクルー作、とあるので、おそらくそのシリーズなのかしら?
と思ったのですが、どうなんでしょう。
演目としての難易度として私が今まで観た大工さんや縫い物とは、段違いだろうな、という感があります。
一種、エティエンヌ・ドゥクルーの奥義級の物を観たのでは、と勝手に満足しております。

幕が開くと

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この人が舞台に立ってます。
そしてしばらく動かない。

見かけがフンドシにパンスト被ったほぼ全裸の人なのでパッと見非常に「何だこれは」ってなるのですが、
コーポリアルマイムは肉体の芸術。
表情によって情感を表現する事を避けてマスクをつける演目が結構あるそうで。

で、あまり動かないマスクの身体なのですが、
まずとにかく肉体美、で圧倒してくる。
呼吸で微妙にお腹の辺りの筋肉が脈打つのですが、
そんな動きまでも
「うわかっこいい」となるのです。
肉体の中に流れるエネルギーが見えるような感じ。

そして徐々に動きが大きくなっていき、
超絶技巧の応酬となる訳ですが、
時に素早く、時にスーパースローに、制御された肉体が動いてゆく。
コーポリアルマイムの要の一つ、ダイナモリズム(動きのダイナミックなリズム)が炸裂していました。

台詞は冒頭にナレーションが入った後は一切ないのですが、
その躍動する身体からは台詞よりも雄弁な情感・雰囲気が流れ出る、といった具合でもう面白い。

エティエンヌ・ドゥクルーによるタイトルが『瞑想』との事で、
私には
・瞑想しようとしている精神が、集中出来ずにあっち行ったりこっち行ったりしてるような感じ
あるいは
・精神が肉体に収まってゆく過程
あるいは
・精神と肉体の闘争
のような感じに見えました。
いずれにせよ、肉体という器の中に膨大なエネルギーが存在する、そのエネルギーが肉体を破って飛び出そうとしている、みたいな印象。
人の肉体と魂に思いをはせます。

たぶんどれも正解ではないし、正解を見つけるものでもないし、人によって様々な印象を得るものだと思います。
これが素敵ですね。

言葉で語ると、言葉の性質上どうしても意味に縛られる。
が、肉体はダイレクトに「何か」を訴えてくる訳で。
その直感的な魅力に心打たれるのでした。

コーポリアルマイム、tarinainanikaが気になった方のために、色々リンクを貼っておきます。


tarinainanikaホームページ

公演情報やワークショップ情報など。拠点は大阪です。

tarinainanika・You Tubeチャンネル

百聞は一見にしかず、是非映像を!

tarinainanika・Instagram

写真がいちいちかっこいいInstagram


ということで、長くなりましたが、コーポリアルマイムすごい!のです。