『フエンテ・オベフーナ』
原題:Fuente Ovejuna
作:ロペ・デ・ベガ(1562-1635)
1613年
物語冒頭の勢力関係が分かりにくくて苦労したのだけれど、
レコンキスタでイスラム教支配地からキリスト教支配地になったシウダッド・レアール市近辺を、
ポルトガルが治めるかスペイン(カスティーリャ)が治めるか、
みたいな抗争が前提にある様子。
フエンテ・オベフーナ村を荘園(領地)とする侍大将(領主・騎士団長的?)フェルナン・ゴメスが、
自身の新大将であるカラトラーバ教団長に挨拶に行く所から始まる。
ゴメスは勢力争いでポルトガル側につきたくて、若年の教団長をその方向に導いていく。
ゴメスは領地であるフエンテ・オベフーナで、略奪・暴行・強姦当たり前という暴政を行っている。
それに対し村の人々がついに反旗を翻し、
ゴメスの部下がスペイン側の王に助けを求める。
さて、王はどう動くか、というお話。
てっきりゴメスが「ドン・ジュアン」的な感じで進行する感じかと思っていたら、
読み進めるうちに市民革命みたいな体になってきてびっくりした。
英雄万歳的な感じじゃなく、村の人々の団結・権力への反抗が主題になっていて、
なんか、中世の戯曲っぽくない雰囲気がある。
最終的に王様万歳な、権力に勝つにはもっと大きい権力に、みたいな感はあるものの、
この時代にこんな戯曲があったんだなぁ、としみじみしました。

作者のロペ・デ・ベガは、
スペイン黄金世紀演劇を代表する作家で、
1500〜2500の戯曲を書いたと言われてるんだとか。
【書籍情報】
『上なき判官これ天子 他一篇』
作:ローペ・デ・ベーガ
訳:永田寛定
昭和23年/世界古典文庫 日本評論社
【ネタバレあらすじメモ】
場所
シウダッド・レアール市に近い古邑カラトラーバ、
フエンテ・オベフーナ村、
カスティーリャの王廷、行在所、等々。
時
1475〜77年の間。
第一幕
第一場 カラトラーバの街上
地頭で侍大将のフェルナン・ゴメスが、
若くして教団長となったドン・ロドリーゴのもとへ挨拶に行く。
第二場 村の広場
ラウレンシア、パスクワーラ、二人の娘が話している。
ラウレンシアは今、フェルナン・ゴメスから口説かれて迷惑しているらしい。
そこへ村の青年、バリルド、メンゴ、フロンドーソやってくる。
三人による、愛は存在するか否かの論争。
そこへフェルナン・ゴメスの部下フローレスがやってくる。
彼はゴメスの活躍ぶりを語る。
と、ゴメスらやってくる。
村長はじめ村人は彼に沢山の贈り物をし、去る。
ラウレンシアとパスクワーラも帰ろうとした所、ゴメスらに止められる。
しきりに門の中に入るように言われるが、二人は逃げる。
第三場 カスティーリャ国の法廷
アラゴンとカスティーリャの王&女王であるフェルナンドとイサベールは、フェルナン・ゴメスによりシウダッド・レアールが乗っ取られたとの知らせをうける。
ゴメスはフエンテオベフーナに戻っていると知り、
シウダッドレアール奪回の準備をする。
第四場 フエンテ・オベフーナの村はずれ
ラウレンシアとフロンドーソが密会している。
そこへゴメスが現れ、フロンドーソは隠れる。
ゴメスは仕掛けた弓でラウレンシアを脅すが、フロンドーソは弓を奪いラウレンシアを逃がす。
その後フロンドーソも逃亡。
ゴメスは復讐を誓う。
第二幕
第一場 村の広場
村長エステーバンが、村役人と食糧問題について話している。
ゴメスに嘆願しようと。
村の若者バリルド、レオネーロが印刷術について話す、
次いでパスクワーラの父ホアン・ローホと農夫、ゴメスの悪口を言っていると、
ゴメス登場。
彼はエステーバンの娘・ラウレンシアを欲しがってごねる。
村人たち、やれやれと去っていく。
ゴメスは部下たちと、どこそこの女が自分に靡いたの靡かないのと話し出す。
そこへ兵卒シンブラーノス現れ、
先程奪い取ったシウダッド・レアールが、
カスティーリャ女王に攻められている事を告げる。
ゴメスは出陣の支度。
第二場 村はずれ
ラウレンシア、パスクワーラがメンゴと共に逃げている。
ラウレンシアはゴメスから助けてくれたフロンドーソに思いを寄せる。
村娘ハシンタごゴメスの手下に追われてくる。
ラウレンシア、パスクワーラは逃げ、メンゴがハシンタの護衛に残る。
そこへゴメスの部下とゴメス。
メンゴは彼女を見逃すよう頼むが、ゴメスは聞く耳持たず、部下にメンゴを連れて行かせる。
ゴメスは彼女を従軍の共にしようという腹づもり。
第三場 ラウレンシアの家の前
ラウレンシアに愛を打ち明けるフロンドーソ。
ラウレンシアも承知し、父に結婚の許しを貰うように言う。
フロンドーソはエステーバンに娘をもらいたい旨を告げ、認められる。
第四場 シウダッド・レアールの郊外
カラトラーバ教団長とゴメスが退却してくる。
シウダッド・レアールは陥落した様子。
教団長がフェルナンド&イサベールに降伏するか否かを決めるまで、ゴメスはフエンテ・オベフーナに戻るという。
第五場 村の広場
フロンドーソとラウレンシアの結婚式で盛り上がるフエンテ・オベフーナ。
だがそこにゴメスが帰還、
彼に弓を向けた罪でフロンドーソを拘束。
止めに入ったエステーバンを打ち、
ラウレンシアも連れ去る。
第三幕
第一場 森の秘密会合
村の一同が会合を開いている所に、
ボロボロにされたラウレンシアが登場、
長台詞で怨みを語り、村の男たちの復讐心に火を点ける。
男たちは武器を取りゴメスを攻めに向かい、
ラウレンシアも女たちを集め、攻撃を指揮。
第二場 地頭屋敷の一間
フロンドーソを逆さ吊りにしようとしていたゴメスらの屋敷に、群衆が大群で押し寄せる。
フロンドーソを解放し説得に当たらせようとするゴメスだが、当然フロンドーソは大群率いてやってくる。
第三場 第二場の部屋の外側
女たちは扉の外で見張りをしていたが、
中から聞こえるゴメスらの命乞いを聞き、
奴らの血は自分たちが流させると意気込み突入。
第四場 カスティーリャの大本営
フェルナンド王の陣に、瀕死のフローレス(ゴメスの部下)が辿り着き、
ゴメスが死んだ事、住民の謀反を告げ、
裁きを求める。
王は判官を派遣する事にする。
第五場 村の広場
村では宴が行われている。
判官が来るのに備え、事情説明のリハーサル。
下手人は誰かと問われたら「フエンテ・オベフーナ」と答えようという事になる。
第六場 カラトラーバの教団長の屋敷
ゴメスの主のカラトラーバ教団長の所に、フエンテ・オベフーナ蜂起の知らせ。
彼は出陣して村を蹂躙しようとするが、
村が王室に捧げられたと知ると、村から手を引く事を決意。
第七場 旧地頭屋敷の外側
判官が村の一同を拷問にかけてゴメス殺しの下手人を白状させようとするが、一同、フエンテ・オベフーナとしか答えない。
判官、疲れて拷問を取り止める。
フロンドーソとラウレンシア、いちゃいちゃする。
第八場 フェルナンド王の行在所
フェルナンドとイサベールのもとに、
教団長が忠誠を誓いに現れる。
続いて判官帰還、村の一同、国王に忠誠を誓いに現れゴメスの悪政の真実を暴露。
ゴメス殺しは不問になり、めでたしめでたし。
原題:Fuente Ovejuna
作:ロペ・デ・ベガ(1562-1635)
1613年
物語冒頭の勢力関係が分かりにくくて苦労したのだけれど、
レコンキスタでイスラム教支配地からキリスト教支配地になったシウダッド・レアール市近辺を、
ポルトガルが治めるかスペイン(カスティーリャ)が治めるか、
みたいな抗争が前提にある様子。
フエンテ・オベフーナ村を荘園(領地)とする侍大将(領主・騎士団長的?)フェルナン・ゴメスが、
自身の新大将であるカラトラーバ教団長に挨拶に行く所から始まる。
ゴメスは勢力争いでポルトガル側につきたくて、若年の教団長をその方向に導いていく。
ゴメスは領地であるフエンテ・オベフーナで、略奪・暴行・強姦当たり前という暴政を行っている。
それに対し村の人々がついに反旗を翻し、
ゴメスの部下がスペイン側の王に助けを求める。
さて、王はどう動くか、というお話。
てっきりゴメスが「ドン・ジュアン」的な感じで進行する感じかと思っていたら、
読み進めるうちに市民革命みたいな体になってきてびっくりした。
英雄万歳的な感じじゃなく、村の人々の団結・権力への反抗が主題になっていて、
なんか、中世の戯曲っぽくない雰囲気がある。
最終的に王様万歳な、権力に勝つにはもっと大きい権力に、みたいな感はあるものの、
この時代にこんな戯曲があったんだなぁ、としみじみしました。

作者のロペ・デ・ベガは、
スペイン黄金世紀演劇を代表する作家で、
1500〜2500の戯曲を書いたと言われてるんだとか。
【書籍情報】
『上なき判官これ天子 他一篇』
作:ローペ・デ・ベーガ
訳:永田寛定
昭和23年/世界古典文庫 日本評論社
【ネタバレあらすじメモ】
場所
シウダッド・レアール市に近い古邑カラトラーバ、
フエンテ・オベフーナ村、
カスティーリャの王廷、行在所、等々。
時
1475〜77年の間。
第一幕
第一場 カラトラーバの街上
地頭で侍大将のフェルナン・ゴメスが、
若くして教団長となったドン・ロドリーゴのもとへ挨拶に行く。
第二場 村の広場
ラウレンシア、パスクワーラ、二人の娘が話している。
ラウレンシアは今、フェルナン・ゴメスから口説かれて迷惑しているらしい。
そこへ村の青年、バリルド、メンゴ、フロンドーソやってくる。
三人による、愛は存在するか否かの論争。
そこへフェルナン・ゴメスの部下フローレスがやってくる。
彼はゴメスの活躍ぶりを語る。
と、ゴメスらやってくる。
村長はじめ村人は彼に沢山の贈り物をし、去る。
ラウレンシアとパスクワーラも帰ろうとした所、ゴメスらに止められる。
しきりに門の中に入るように言われるが、二人は逃げる。
第三場 カスティーリャ国の法廷
アラゴンとカスティーリャの王&女王であるフェルナンドとイサベールは、フェルナン・ゴメスによりシウダッド・レアールが乗っ取られたとの知らせをうける。
ゴメスはフエンテオベフーナに戻っていると知り、
シウダッドレアール奪回の準備をする。
第四場 フエンテ・オベフーナの村はずれ
ラウレンシアとフロンドーソが密会している。
そこへゴメスが現れ、フロンドーソは隠れる。
ゴメスは仕掛けた弓でラウレンシアを脅すが、フロンドーソは弓を奪いラウレンシアを逃がす。
その後フロンドーソも逃亡。
ゴメスは復讐を誓う。
第二幕
第一場 村の広場
村長エステーバンが、村役人と食糧問題について話している。
ゴメスに嘆願しようと。
村の若者バリルド、レオネーロが印刷術について話す、
次いでパスクワーラの父ホアン・ローホと農夫、ゴメスの悪口を言っていると、
ゴメス登場。
彼はエステーバンの娘・ラウレンシアを欲しがってごねる。
村人たち、やれやれと去っていく。
ゴメスは部下たちと、どこそこの女が自分に靡いたの靡かないのと話し出す。
そこへ兵卒シンブラーノス現れ、
先程奪い取ったシウダッド・レアールが、
カスティーリャ女王に攻められている事を告げる。
ゴメスは出陣の支度。
第二場 村はずれ
ラウレンシア、パスクワーラがメンゴと共に逃げている。
ラウレンシアはゴメスから助けてくれたフロンドーソに思いを寄せる。
村娘ハシンタごゴメスの手下に追われてくる。
ラウレンシア、パスクワーラは逃げ、メンゴがハシンタの護衛に残る。
そこへゴメスの部下とゴメス。
メンゴは彼女を見逃すよう頼むが、ゴメスは聞く耳持たず、部下にメンゴを連れて行かせる。
ゴメスは彼女を従軍の共にしようという腹づもり。
第三場 ラウレンシアの家の前
ラウレンシアに愛を打ち明けるフロンドーソ。
ラウレンシアも承知し、父に結婚の許しを貰うように言う。
フロンドーソはエステーバンに娘をもらいたい旨を告げ、認められる。
第四場 シウダッド・レアールの郊外
カラトラーバ教団長とゴメスが退却してくる。
シウダッド・レアールは陥落した様子。
教団長がフェルナンド&イサベールに降伏するか否かを決めるまで、ゴメスはフエンテ・オベフーナに戻るという。
第五場 村の広場
フロンドーソとラウレンシアの結婚式で盛り上がるフエンテ・オベフーナ。
だがそこにゴメスが帰還、
彼に弓を向けた罪でフロンドーソを拘束。
止めに入ったエステーバンを打ち、
ラウレンシアも連れ去る。
第三幕
第一場 森の秘密会合
村の一同が会合を開いている所に、
ボロボロにされたラウレンシアが登場、
長台詞で怨みを語り、村の男たちの復讐心に火を点ける。
男たちは武器を取りゴメスを攻めに向かい、
ラウレンシアも女たちを集め、攻撃を指揮。
第二場 地頭屋敷の一間
フロンドーソを逆さ吊りにしようとしていたゴメスらの屋敷に、群衆が大群で押し寄せる。
フロンドーソを解放し説得に当たらせようとするゴメスだが、当然フロンドーソは大群率いてやってくる。
第三場 第二場の部屋の外側
女たちは扉の外で見張りをしていたが、
中から聞こえるゴメスらの命乞いを聞き、
奴らの血は自分たちが流させると意気込み突入。
第四場 カスティーリャの大本営
フェルナンド王の陣に、瀕死のフローレス(ゴメスの部下)が辿り着き、
ゴメスが死んだ事、住民の謀反を告げ、
裁きを求める。
王は判官を派遣する事にする。
第五場 村の広場
村では宴が行われている。
判官が来るのに備え、事情説明のリハーサル。
下手人は誰かと問われたら「フエンテ・オベフーナ」と答えようという事になる。
第六場 カラトラーバの教団長の屋敷
ゴメスの主のカラトラーバ教団長の所に、フエンテ・オベフーナ蜂起の知らせ。
彼は出陣して村を蹂躙しようとするが、
村が王室に捧げられたと知ると、村から手を引く事を決意。
第七場 旧地頭屋敷の外側
判官が村の一同を拷問にかけてゴメス殺しの下手人を白状させようとするが、一同、フエンテ・オベフーナとしか答えない。
判官、疲れて拷問を取り止める。
フロンドーソとラウレンシア、いちゃいちゃする。
第八場 フェルナンド王の行在所
フェルナンドとイサベールのもとに、
教団長が忠誠を誓いに現れる。
続いて判官帰還、村の一同、国王に忠誠を誓いに現れゴメスの悪政の真実を暴露。
ゴメス殺しは不問になり、めでたしめでたし。
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