『女人渇仰』
作:岸田國士
1949年9月
「おれはただ、一生涯、母親からも、女房からも、娘からさへも、優しい言葉つていふものをかけられた覚えがないんだ。」
登場人物は、老人、少女、娘。
二人でもやれそう。
序盤の、少女との出会いからの宿へ移動、
そして中盤の家への帰宅、
という動きが、するすると過ぎていき、
なんだか紙芝居か、ごっこ遊びなのではないかというような印象を受ける。
同じく岸田國士の『紙風船』の夫婦の妄想旅行のような感じ。
老人の話を聞いている途中で寝てしまう少女に、老人は優しさを感じ、
老人の言葉にしっかり応対する娘には欠片も優しさを感じないでごねる、
という、対比が面白い。
「女の優しさ」を求める男の話。

【ネタバレあらすじメモ】
薄暗い通りで売春婦らしき少女に出会った老人が、二人で宿に行く。
老人はひたすらに、今までの自分の人生を語り始め、少女はやがて寝てしまう。
老人は、あなたが初めて出会った優しい女だ、と感激。
家に帰ると老人を迎えるのは女。
出かけるからごはんは適当に、などあしらわれる。
会話が結構なリズムで行き交う。
読んでいると、こちらの会話の方が、
優しい光景な気がする。
やがて娘の出かける時間になって、幕。
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