『フィガロの結婚(一名、狂ほしき一日)』
原題:La Folle journee ou Le Mariage de Figaro
作:カロン・ド・ボーマルシェ(1732〜1799)
1784年
「蟲のよすぎる殿方に申上げます、情け容赦もなく、女たちを情欲の玩具にしたり、犠牲にしたり、非道い目にお会はせになる殿方様!若い女どもの過ちは貴方がたの罪でございますよ。」
オペラが有名で名前だけはよく知っている
『フィガロの結婚』
戯曲を読んでみました。

モリエールとかコメディア・デラルテとかを連想する、ドタバタした色恋沙汰の喜劇。
かと思いきや、
・男女による性の過ちに関する処罰の差
(男は英雄、女は淫乱、的な扱いの差)
・身分の違いによる格差
などにかなり鋭く言及する箇所が随所にあって、
現代でもピリリと辛い。
中でも、五幕三場のフィガロの独白はかなり異質で、
貴族の地位を金で買ってのし上がっていったという作者自身の、
当時の身分制度への呪詛みたいなものすら感じる迫力。
この芝居が
書かれたのが1784年、
5年後には貴族の支配が大きく崩れるフランス革命。
当時の革命の空気を高める役割も果たした、とか。
その時代での、この戯曲の上演、相当ヒリヒリするものだったんだろうし、
庶民にはフィガロが権力者を知恵で倒していく筋書きとか、熱すぎる展開だったんでしょうね。
物語の発端が、
伯爵が一度廃止した初夜権を復活させようと目論む所から始まるので、
現代にしてみれば「?」みたいな所も多いけれど、
そこの時代の壁さえ乗り越えればこりゃいつの時代も面白い、さすが、古典!
な感じでした。
そしてどうやらこの作品は、同じくボーマルシェの作品かつオペラで有名な
『セビリアの理髪師』
の続編のようですね。
知らずに読み始めても十分読めましたが、
人間関係で引きずっている物が結構多いので、
『セビリアの理髪師』→『フィガロの結婚』
の順で触れるのがベターっぽい。
ちなみにこの後には『罪ある母』という続編があって、
「フィガロ3部作」
と呼ばれているんだとか。
まだまだ知らないことが山ほどあるなぁ。
ちなみに作家のボーマルシェは、専業作家ではなく非常に色んな仕事をしていたとかで、
劇作家はむしろ暇つぶしくらいのノリだったとか。
【収録】
『フィガロの結婚』
作:ボオマルシェエ/訳:辰野隆
昭和27年 岩波文庫
【ネタバレあらすじメモ】
☆第一幕☆(1〜11場)
第一場
アルマヴィヴァ伯爵の下僕・フィガロと侍女シュザンヌ。
フィガロとシュザンヌはいいなづけで明日結婚の予定らしいが、
女たらしのアルマヴィヴァ伯爵は、自らが撤廃した初夜権(新婚初夜には偉い人がベッドインする権利)をシュザンヌで復活させようと目論んでいる。
それを積極的に援護しようとしているのが、
シュザンヌの音楽教師・バジル。
フィガロは、なんとか伯爵を痛い目に合わせられないかと考える。
シュザンヌは伯爵夫人に呼ばれ出ていく。
第二場
フィガロの独白。
伯爵への文句とバジルへの憎しみ。
第三場
そこへ医師バルトロと老女マルスリイヌがやってくるので、フィガロは退散。
第四場
バルトロはその昔、フィガロに一杯喰わされて恋人を他の男に取られている。
マルスリイヌはフィガロと結婚したい。
バルトロとマルスリイヌは、
シュザンヌと伯爵の悪い噂を流す
↓
シュザンヌは伯爵を拒む
↓
伯爵が怒ってフィガロとシュザンヌとの結婚を取り消す
↓
フィガロとマルスリイヌが結婚できる
という計略をたてる。
第五場
そこへシュザンヌがやってくる。
シュザンヌとマルスリイヌの、女の口喧嘩。
マルスリイヌ、バルトロ去る。
第六場
シュザンヌ独白。
マルスリイヌへの悪態。
第七場
伯爵の小姓・シェリュバン、やってくる。
シュザンヌの親戚のファンシェットを口説いていたら伯爵に追放を命じられた、と嘆く。
次にはシュザンヌを口説きにかかる。
が、彼の本命の伯爵夫人のリボンをシュザンヌが持っているのを見つけると、それを奪い愛を語る。
ようするに、女全てを愛している、というような立ち回り。
が、伯爵がやってきて、彼は隠れる。
第八場
言い寄ってくる伯爵を必死にかわすシュザンヌ。
ロンドンへの仕事にフィガロを連れていくから、一緒に来いと。
伯爵は、医師バルトロから女を奪って結婚した際に初夜権を廃したが、今度の復活を待ち望んでいる。
音楽教師バジルも一味。
バジルがやってくる。
二人でいるところを見られては都合が悪いからと伯爵隠れる。
部屋には伯爵とシェリュバンが隠れている状態。
第九場
バジルの話を聞いている間に伯爵が顔を出す。
シェリュバンがしている噂とはどんなかと、気になって問い詰める。
そしてシェリュバンも発見され、伯爵怒る。
その怒りの延長で、
フィガロとシュザンヌの結婚を取り止めろと言い出す。
第十場
そこへフィガロ、伯爵夫人らやってくる。
フィガロは、伯爵が夫人と結婚する際に初夜権を廃したのを立派な行為だとたのをたたえ、
その廃止の第一号をシュザンヌにしてほしいと願う。
シュザンヌもこれに加勢。
伯爵は夫人の手前もあり、この申し入れにノーと言えない。
フィガロが連れてきた連中もこの様子を見て万歳を唱える。
シェリュバンが夫人に言い寄っていたのも許されるが、
代わりに彼は軍隊に入れられることになる。
フィガロとシュザンヌは、伯爵をうまくやり込めた事を喜び合うが、伯爵はまだ何か企みがある様子。
第十一場
帰ろうとする一同のうち、
バジルとシェリュバンを引き止めるフィガロ。
二人には結婚式の余興の事を話す。
もうここにはいられないからと嘆くシェリュバンに、
出発するふりをして帰ってくればいいと提案。
自分がうまく伯爵をなだめるからと。
バジルには、ファンシェットに稽古をつけるように頼む。
☆第二幕☆(1〜26場)
第一場
シュザンヌが夫人に事のなり行きを説明している。
シェリュバンは、夫人から伯爵に許しを請うてくれるように自分の所へ来た、
夫人への愛情が行き場をなくし自分に向かってきた、と。
伯爵はシュザンヌが言うことを聞かないなら、
フィガロを想うマルスリイヌに加勢して結婚を駄目にする気だ、と。
夫人は伯爵が自分に興味のないことを嘆く。
そこへフィガロやってくる。
第二場
フィガロが計略を話す。
今夜の仮装会で夫人に面会しに来る男がいると噂を流す。
伯爵は焼きもちを妬いてその事に熱心になる。
また、シェリュバンを女装させシュザンヌに仕立てあげ、偽のシュザンヌと伯爵の逢瀬の現場をフィガロが見つけることで罪悪感を煽る。
この二つを実行すれば、
伯爵は初夜権の行使どころでなく、大忙しで走り回ることになる、と。
実行のため去っていく。
第三場
計画のためにもうすぐシェリュバンがやってくる。
夫人は身だしなみが整っていないとそわそわし出す。シェリュバンの好意にまんざらでもない様子。
第四場
シェリュバンやってくる。
シェリュバンが夫人に向けて作ったらしいロマンスが、シュザンヌによって披露される。
シュザンヌはシェリュバン女装の準備のため場からいなくなる。
第五場
夫人はシェリュバンがまだ館にいることの弁明を考える。
彼が持っている辞令には印がない。
第六場
シュザンヌ戻ってくる。
シェリュバンの女装の過程で、彼が夫人のリボンを手に巻いているのが見える。
シュザンヌ再び出ていく。
第七場
夫人とシェリュバン二人きり。
リボンは夫人の一番好きな色。
第八場
シュザンヌ戻ってきてまた出ていく。
第九場
リボンをシェリュバンから取り上げる夫人。
シェリュバンは、そのリボンには傷を治す効果がある、とか、兵隊に行くのが辛い、とか言う。
誰かやってくる。
第十場
外から声をかけてきたのは伯爵。
開けろ、誰と話しているのだ、と。
部屋の中には夫人と、着替え途中の服装の乱れたシェリュバン。
こいつはまずいと、シェリュバンは化粧部屋に隠れる。
第十一場
伯爵は開けろと声をかける。
夫人、あわてふためき応対。
第十二場
夫人は伯爵を部屋に入れる。
いつもは鍵はかけないだろとか、様子がおかしいとか、伯爵の疑いは強い。
というのも、フィガロの計略で、夫人の浮気をほのめかす手紙を先程受け取ったからだ。
化粧部屋のシェリュバンが物を倒し音が。
しどろもどろに言い訳する夫人。
第十三場
化粧部屋にいる(と夫人が嘘をついた)シュザンヌに向けて出てこいと声をかける伯爵。
これを聞いて、部屋に戻ろうとしていたシュザンヌは隠れる。
部屋の扉を壊そうとする伯爵だが、夫人がなんとか止める。
では、私と一緒に部屋に来いと言う伯爵に夫人は従う。
伯爵は部屋のいたるところへ鍵をかけ、怪しい人物が出られないようにし、夫人と出ていく。
第十四場
シュザンヌとシェリュバン合流。
逃げ道を探すが、窓から飛び降りるしかなさそう。
ここにいた事がバレたら何もかもダメになる、奥さまに迷惑をかけるよりはと、
シェリュバンは窓に向かって駆け出す。
第十五場
シェリュバンは飛び降りて脱出した。
シュザンヌは化粧部屋に行き、そこにいたのは自分だということを演ずる準備。
第十六場
扉を壊す準備を整えてきた伯爵と夫人。
夫人は恐怖のあまり、部屋にいるのはシェリュバンだ、芝居の稽古をしていたからどうか咎めないでくれと告白する。
伯爵は荒ぶって扉を開けるが、中にいたのはシュザンヌ。
第十七場
シュザンヌがいることに夫人もびっくり。
伯爵は、シュザンヌだけではあるまいとなお疑ってかかる。
第十八場
シュザンヌ、夫人にシェリュバンの無事を告げる。
第十九場
伯爵は自分の疑いが過ちだったと分かり謝り倒す。
夫人も調子が出て来て、上手いこと話を合わせる。
伯爵は、自分が受け取った浮気を示唆する手紙は何だったのかと気にすると、
夫人は、その手紙はフィガロが書いたのだとタネ明かしをする。
伯爵はバジルから手紙を受け取った際に嘘をつかれた事に怒り、フィガロとバジルに怒りを向けるが、
夫人は、全てを許さなければあなたのことは許さない、と言い張り、伯爵も折れる。
第二十場
そこへフィガロやってくる。
伯爵が手紙はお前が書いたのだなと突きつけると、しらを切るフィガロ。
夫人とシュザンヌは、もうタネ明かしをしたから嘘を言わなくていい、と。
フィガロは自分が書いたとは明言せず切り抜ける。
フィガロとシュザンヌは、シェリュバンをどうにか助けなければと囁き合う。
第二十一場
そこへシュザンヌの伯父、ファンシェットの父・アントニオやってくる。
彼は酔っ払った庭師だが、部屋の窓から男が飛び出すのを見たという。
フィガロは危険を感じ、それは自分だと言い張るが、
アントニオはシェリュバンぽかったと言い出し、
その男が落とした紙切れを出す。
それはシェリュバンに与えられた辞令だった。
印がないから自分が預かったのだとフィガロは厳しい言い訳。
伯爵は疑惑を高まらせ、
マルスリイヌが動き出すことを切に願う。
第二十二場
そこへマルスリイヌらがやってくる。
マルスリイヌはフィガロの結婚に待ったをかける。
自分は結婚を前提にフィガロに金を貸した、証文もあると。
伯爵はこれぞ復讐の機会と、裁判が済むまで結婚を停止する。
バジルは自分がマルスリイヌに求婚することも認めてほしいと言い出すが却下される。
手紙の一件が明らかでないからだ。
裁判官らを呼びに行くのにグリップ・ソレイユという牧童が名乗り出、音楽教師バジルはその友をすることに。
第二十三場
伯爵は出ていき、バジルとフィガロはぶつくさ言う。
歌って出ていくフィガロたち。
第二十四場
夫人とシュザンヌ。
なんとか伯爵の疑いをかわした事に安堵する二人。
夫人は、シュザンヌが呼び出された先にシェリュバンを女装させて連れていく計画の代わりに、
自分がそこに行って伯爵の放蕩をたしなめる計画を立てる。
第二十五場
夫人一人。
シェリュバンが持っていた自分のリボンを見つけ手に取る。
第二十六場
シュザンヌが衣装を持ってきて、夫人の変装計画が進む。
幕間で転換が行われ、場は裁判の場に。
☆第三幕☆(1〜20)
第一場
伯爵と馬丁のペドリイユ。
伯爵が何かを命じる。
第二場
ペドリイユを呼び戻す。
第三場
ペドリイユに用件をもう一度。
セヴィリアに向かい、
シェリュバンがちゃんと着いたかどうかを確認するのが彼の仕事のようだ。
第四場
伯爵は一人で、この間の一件を整理しなおす。
そして、自分がシュザンヌを想っていることを、何でやめられないかなぁ、とかぼやきながら、
この気持ちがフィガロに気づかれているかをチェックしようと試みる。
第五場
伯爵とフィガロ。
フィガロは伯爵の計画を立ち聞きして、
それとなく突っかかっていく。
互いに持っている情報の尻尾をつかまれまいと会話でバトル。
互角の戦い。
第六場
そこへ下僕来て、判事のブリドワゾンが到着したと伝える。
第七場
フィガロ、法廷の準備(場所的な意味で)は出来ている、と出ていく。
第八場
フィガロとシュザンヌを夫婦にはさせまいと、伯爵の独白。
第九場
シュザンヌはうまいこと伯爵を誘惑し、
晩に庭で会う約束を取り付ける。
誰か来たので伯爵は退散。
第十場
フィガロがやってきてシュザンヌに用事だという。
二人出ていく。
第十一場
訴訟は勝ったようなもの、という二人の話を聞いていた伯爵。
シュザンヌの伯父・アントニオを利用して結婚は破談にさせようと目論む。
第十二場
バルトロ、マルスリイヌがブリドワゾンとやってくるので伯爵引っ込む。
マルスリイヌはブリドワゾンに訴訟のあらましを伝える。
フィガロに貸した金が戻ってこないから結婚するのだと。
ブリドワゾンは金で判事の地位を買っており、役に立たなそう。
第十三場
そこへフィガロ。
彼とブリドワゾンはセヴィリアにいた時の旧知の仲。
フィガロは彼に、自分は金を借りてないことにしてくれ、ともちかける。
第十四場
伯爵らがやってきて、法廷が始まる。
第十五場
裁判が始まる。
冒頭で劇作家カルデロンいじり。
そしてフィガロの件。
裁判はフィガロの書いた証書が論点になる。
言葉の取り方次第で、
「借金を返済した上結婚する」
なのか
「借金を払えなければ結婚する」
なのかが議論され、フィガロは、
払えなければ結婚、を断固主張。
フィガロの主張が通るムードになる。
伯爵はここで介入、
払えなければが正しい、しかし彼女は今すぐの支払いを求めている、フィガロが今すぐ払えなければ今日中にマルスリイヌと結婚するように、
と判決を下す。
愕然とし、「負けだ」と呟くフィガロ。
アントニオは彼に、
「お前が甥にならずに済んで嬉しい」
と告げ去る。
第十六場
フィガロは両親の許諾もないまま結婚は出来ない、
自分は捨て子だったからもうすぐ両親が見つかるはず、それまでは、とねばる。
そして両親との唯一の絆・腕の傷を見せると、
マルスリイヌとバルトロの態度が豹変。
フィガロは二人の息子だった。
母親とは結婚できぬとなり、
フィガロたちは再会を喜ぶ。
なんだこの急展開は。
第十七場
そこへシュザンヌやってくる。
フィガロがマルスリイヌに返すべき金を、伯爵夫人からもらったらしい。
第十八場
シュザンヌはマルスリイヌと抱き合うフィガロを見て一時勘違いするが、母親だと分かり喜ぶ。
さぁ結婚と思いきや、
結婚には両親の承諾が必要。
フィガロの父親であるバルトロはそれを拒み、
シュザンヌの伯父も拒否。
第十九場
反対するバルトロにマルスリイヌとシュザンヌは「お父さん!お父ちゃん!」と泣きつき、
バルトロは一瞬でほだされる。(まじかよ)
だがまだうんとは言っていない、伯爵の判断をあおごう、となり、一同は伯爵のもとへ。
第二十場
完全に無視されたブリドワゾン、文句を言って去る。
☆第四幕☆(1〜16場)
第一場
舞台は広間。
シュザンヌの伯父も結婚を承諾したらしい。
フィガロとシュザンヌは二人で、
あとは伯爵だけ!
といちゃつく。
第二場
そこへ伯爵夫人が来る。
式の用意を進めようとフィガロは立ち去り、
それを追おうとするシュザンヌを夫人は引き留める。
第三場
夫人はシュザンヌになりかわり伯爵と庭で合う作戦を進めに来た。
シュザンヌの筆跡で伯爵に手紙を書く。
シュザンヌは夫人が持っていたシェリュバンのリボンを見つけ、嘆く夫人を慰める。
それはあなたが持つにはふさわしくないからと、
ファンシェットに贈ることにする。
第四場
ファンシェット、女装したシェリュバンを連れてやってくる。
夫人への花を届けに来た。
それとは知らずシェリュバンにキスする夫人。
第五場
やってきたアントニオがシェリュバンの正体を暴く。
夫人は朝からの出来事の真相を話すと伯爵はシェリュバンを罰そうとする。
ファンシェットは、
伯爵だって私にキスしてくれってよく言うじゃない、
とバラし、罰するくらいならシェリュバンと自分を結婚させてくれ、そうすればいくらでも伯爵の言うとおりにするから、と言い出す。
第六場
余興のために娘たちを連れてやってきたフィガロに、
伯爵とアントニオは詰め寄る。
のらりくらり言い抜けて去っていくフィガロ。
第七場
キスの礼を言うシェリュバン。
第八場
何のことだと聞く伯爵、とぼける夫人。
第九場
フィガロ&シュザンヌ、バルトロ&マルスリイヌの結婚式のお祝いダンスとか歌とか。
シュザンヌは伯爵に、「庭で会おう」という旨の策略の手紙を渡す。
伯爵は封のピンに四苦八苦しながらも開封しにやつく。
祝の場が騒がしくなる。
バジルが大勢を連れてやってきた様子。
夫人とシュザンヌは衣裳を取り替えに出ていく。
第十場
バジルとフィガロの口論。
バジルはマルスリイヌに求婚にやってきた。
四五年前に約束をしたらしい。
マルスリイヌに息子が見つかり、バジルがそれを歓迎するなら、
という条件で。
だが息子がフィガロだと分かり、バジルはこんなのを息子に持つ不幸はいやだ、と退散する。
第十一場
結婚の書類が作成される。
伯爵は、シュザンヌからの手紙でウキウキして外に出ようとする。
第十二場
牧童のグリップ・ソレイユが、栗の木の下で花火をする、と言っているのを聞きつけ、
伯爵はあわてて場所替えを命じる。
逢い引きの場所を照らされてはかなわぬ。
第十三場
マルスリイヌはフィガロに告げる。
お前の妻は伯爵に気があるのではと心配だと。
フィガロは、大丈夫任せておけとの返事。
そこへファンシェットやってくる。
第十四場
ファンシェットは、シュザンヌに伯爵から預かったピンを渡すために探している。
フィガロは訳を問い詰めると、
大きな栗の木の下でなにやら、という。
あわてるフィガロ。
第十五場
嫉妬するフィガロをマルスリイヌが諭す。
まずは訳をたしかめたらどうだ、と。
それもそうだと母に感謝し、栗の木へ向かうフィガロ。
第十六場
マルスリイヌ一人。
男一般への、おそれと愛情。
☆第五幕☆(1〜19場)
第一場
栗の木の下には左右にあずま屋。
ファンシェットが一人いると、フィガロがやってくる。
ファンシェットは左のあずま屋に逃げる。
第二場
フィガロはバジル、バルトロ、アントニオ、ブリドワゾン、グリップ・ソレイユら、人を呼べるだけ呼んできた。
伯爵が自分の花嫁と逢引を始めたらいっせいにランプで照らして恥をかかせようというのだ。
皆、乗り気で隠れる。
第三場
フィガロの長い独白。
貴族への恨み節。
続いて今までの自分の経歴を語り出し、
今妻に浮気されそうになっている事を
(実は伯爵をはめる為のシュザンヌと夫人の計略だが‥)嘆く。
人が来たので隠れる。
第四場
シュザンヌの格好の夫人、
夫人の格好のシュザンヌ、
そしてマルスリイヌが来る。
マルスリイヌはここにフィガロが来ているであろうことを告げ、自分は冷静に事態を見守るためにファンシェットも隠れているあずま屋へ。
第五場
夫人とシュザンヌは聞こえよがしに会話を始める。 おそらく伯爵を呼び寄せるための芝居。
第六場
そこへタイミング悪くシェリュバンがやってきて、シュザンヌに扮した夫人をシュザンヌだと思い口説きにかかる。
キスしようとした所、それを目撃した伯爵が間に割って入り、シェリュバンと伯爵がキス。
フィガロもそれを脇から見ていて、
シュザンヌへの嫉妬を高まらせる。
シェリュバンはファンシェットとマルスリイヌの隠れるあづま屋に逃げ込む。
第七場
伯爵はシェリュバンを殴ろうとして偶然フィガロを殴ったりと、混乱の場。
伯爵はシュザンヌ(と思い込んでいる夫人)に、
「妻が持っていないものを全て持っている」などとベロベロに褒めちぎり、ダイヤを与える。
松明の明かりが近づき、シェリュバンたちの隠れるあづま屋とは違うあづま屋に隠れようとした時、
我慢できなくなったフィガロが登場。
伯爵は逃げ、夫人はあづま屋に。
第八場
フィガロ一人、二人の行方を追跡しようとするところに、
夫人に扮したシュザンヌ。
フィガロは仕返しのつもりで夫人(実はシュザンヌ)を口説きにかかるが、
シュザンヌにこれでもかというくらいビンタされてようやく気付く。
一つの変装が明るみに出る面白い場。
ひたすらに、ビンタの場。
第九場
伯爵は偽シュザンヌを探してあづま屋に。
そこへフィガロも忍び込んで、
今朝の騒ぎで夫人と二人きりでいた人物を演じる。
シュザンヌはファンシェットとマルスリイヌ、シェリュバンのいるあづま屋に隠れる。
辺りが暗いようで、皆人物を見分けられない。
第十場
伯爵、フィガロの腕を掴み人を呼ぶ。
第十一場
セヴィリアにシェリュバンを探しに行ったペドリイユが駆けつける。
小僧はそこにいなかったと報告。
伯爵はなおも人を呼ぶがペドリイユは、
自分もフィガロもいるのにこれ以上誰が必要か、と発言。
第十二場
人が沢山集まってくる。
伯爵は夫人と不貞を働いた何者かの正体を暴こうと人を集め、
人がいっぱいいる方のあづま屋(夫人のいない方)に踏み込む。
第十三場
誰が人の女房を奪ったのか注目する一同。
第十四場
伯爵は夫人を捕まえたつもりであづま屋からまずシェリュバンを引き出す。
びっくり。
伯爵もびっくりし、中にアントニオを踏み込ませる。
第十五場
まだ誰かいるはずだと怒鳴る伯爵。
第十六場
アントニオが引きずり出したのはファンシェット。
一同びっくり。
第十七場
続いてマルスリイヌが引きずり出される。
第十八場
続いて夫人の格好をしたシュザンヌ。
伯爵は彼女を罰しようとするが、
一同は跪いて許しを乞う。
聞き入れない伯爵。
第十九場
そこへ夫人登場。
一連の種明かし。
伯爵は全てをゆるすしかないと負けを認め、
フィガロには金が、シュザンヌにはダイヤモンドが与えられ、
シェリュバンは夫人のリボンを手にし、
めでたしめでたし。
なんか皆めでたい感じで歌う。
おわり。
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