柳内佑介・阿部大樹
『Come and Go〜いったりきたり〜』
作:サミュエル・ベケット

「アートにエールを!【演劇】」
で観た動画。

冒頭の、『マクベス』の魔女みたいな台詞でスタートしてから
すぐに「黙りましょう」になるのが既に面白い。

全体に不穏な空気が漂う中、
15秒は軽くある間がボンボンぶちこまれて、
(私、「間」という範疇を越える程の空白の時間が結構好きなのでツボでした)
不穏かつ滑稽、というなんとも言えない妙な面白さがあった。

三人のうち一人がいないときに、
そいつの噂話をする、
みたいな事が終始続く状況なのだけど、
その噂話の箇所にピアノ演奏が挿入されるのがイメージを膨らませて面白い。
実際の台本は読んだことないから分からないのだけど、
演奏により代弁されるその「話」は一体なんなのかしら、と興味が湧く。

そしてまた膨大な間、身動きしない役者。

動かないことはこんなにも面白い、
という事が染みてくる動画。
映像で、かつ動きがない分、
まばたきや視線の変化にとても敏感に注目出来て、
ミニマムな事柄がもたらす大きな効果を楽しめた。

本来三人の女優で上演されるらしいこの本を、
格好が同じ、帽子とマスクを被った役者が演じる事でより不安定な感覚が煽られる。
自分二人と共演する、という、生の舞台ではあり得ない事柄へのチャレンジが面白いと共に、
撮影も編集もめんどくさかっただろうなと、
裏側を想像してもクスリと来る一作だった。