『代り目』

【あらすじ】
遅くまで飲んでた男が車屋に声をかけられて車に乗る。
行き先を聞かれ、この家の前で降ろせ、と目の前の家へ。
出てきたのは男の妻で、
妻は家の前で車拾ったのかい、迷惑かけてと、
車屋に金を持たす。

続いて男が何か食べたいと言い出す。
が、何もないのでおでんを買いに行かせる。
髪を整え始める妻に、
おめぇなんぞ頭なんかなくていいんだ、
など罵詈雑言。

妻が行ってしまうと、
俺みたいな男にはもったいない女だと、
ころりと変わって女を誉め始める。
と、妻はまだいた。
早く行けこんにゃろー。

うどん屋が通りかかる。
男は冷酒を燗にするために呼びつけ、
うどんは食べないで罵詈雑言を吐いて帰す。

妻が帰ってくると酒が熱燗になっているので、
どうしたのと聞くとうどん屋の話をする男。
妻は、かわいそうだとうどん屋を追いかけ、
声をかける。
うどん屋、あそこの家には行けません、
今行ったら丁度銚子の代り目だ、でサゲ。


【おもしろポイント】
前半の車屋とのやり取り、
女房との食べ物に関するやりとり、
おでんの具の呼び方の縮め方が面白い。
はんぺんが「ぺん」だなんてかわいい。

男の言葉はすごく乱暴で、
それだけに、妻への素直な気持ちを口にして、
それが聞かれてたとこの照れ隠しみたいな言葉の悪さがかわいい。

【書籍】
『落語特選 上』編:麻生芳伸
2000年 ちくま文庫

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【CD】
『決定盤 五代目 古今亭志ん生落語集』
火焔太鼓/強情炙/弥次郎/替り目/饅頭恐い/妾馬

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【音源を聴いて】
志ん生師匠はとにかくかわいい。
所々何言ってるかわかんないくらいフガフガしてたりするけど、それもかわいい。
酔っ払いのリアルがある。
暴言吐いても憎めない。
女房への熱い思いを吐露して、
まだ女房が家にいた→まだいやがったこのやろー、早く行っちまえ
のとこで終わる。
鮮やかにかわいく終わる。