『夢(これは、叙景・叙述のない一挿話である)』
作:中原中也
中原中也が戯曲形式で書いた作品。
小説家と、彼に好意を寄せる女の物語。

文豪が書く戯曲、となると、
すごく語りすぎるイメージがあるけれど、
ポツポツと、
大事な事をあまり言葉にしないような雰囲気が面白い。
岸田國士とか、チェーホフとかを、
読んでる気持ちに、若干なる。
【収録】
【ネタバレあらすじメモ】
場所
貧弱な洋室
一
晩秋の宵
小説家が作品を書いている時に、女が訪ねてくる。
女はしきりに男に話しかけ、
男もまんざらでもない。
妻をもらうかという話になり、
なんならあなたを妻に、と。
女は、世帯じみるのがいや、と言う。
なら「妹」では?と作家。
女は、あなたの小説のネタにしれるのがオチでは?と。
女の好意、男の茶化しの中の好意。
隣の家の男が、こちらを覗いているような、気配。
二
その冬の午後三時頃。
二人は結婚している。
出かけるとなかなか戻らない夫に、妻は愚痴をこぼす。
二人は口論が多い。
電鈴の音に、女は慌てて応対。
やがて隣室を見ると、女が隣の男といる。
男「もう支度は出来てゐたのか。夢だ…………常識主義者だ。」
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