『呼吸の極意 心身を整える絶妙なしくみ』
著:永田晟
2012年 講談社(ブルーバックスB-1771)

前にブルーバックスで読んだ
が読みやすかったので、
続いて講談社ブルーバックスの呼吸本を読みました。
今回はブルーバックスらしく?
科学データ満載で、読んでもなんのことやらも多かったですが(笑)
それでも、呼吸の仕組みとかの説明が丁寧で、
筋肉の名前やら骨の名前やらまで解説が入ってるので難しげですが、
要は、「吐く」ことがとても肝心。
というのが根っこでした。
呼吸訓練やるときも、よく
「吐いて」吸う、というのを強調するのですが、
「吐く」ことによって
筋肉運動的に横隔膜が動きやすくなる。
副交感神経が活発になる→リラックスする。
内臓活動が向上するなど、
まさに呼吸で身体を整えることが出来ることが科学的に裏付けられている本でした。
また、腹式呼吸をしやすくするにはベルトで丹田を意識するとよい、などなど、呼吸訓練には役立ちそうな事が沢山。
体を開く時に息を吸って、閉じながら吐いていく体操も色々紹介されていて、面白いです。
呼吸の話、となるとどうしてもイメージの話が多くなるので、
こうして科学データで確かな効果を提示してくれているのがありがたいですね。
何かの折に参照したい一冊です。
また、呼吸の仕方によって感情をコントロールする、
というのは、
朗読の講座で突き詰めていきたいテーマの一つでもあるので、
その事に言及されているのも嬉しい。
感情表現は、まさに、息の吐き方にかかっている!
感情を取り出しにくい時は、息を動かして物理的アプローチでやってみればよいのです。
最初に読む呼吸本としては難しげな印象なので、
色々読みやすいものに手を出してから帰ってくると、
「なるほど!」となるタイプの本でした。
【目次と読書メモ】
第1章 呼吸のしくみ
・呼吸とは何か
・肺の働き
・眠っていても呼吸できるわけ
鼻は無意識、口は意識的
暑いと早く、寒いと遅く
感情でも変わる
第2章 呼吸で自律神経を整える
・からみあう2つの自律神経系
副交感神経は、吐く息を長くすると活発に。
お腹は交感神経が活発になると働きがにぶくなる。
・内蔵を整える呼吸法
吐く息を強くすると、副交感神経活発。
→内臓に効く。
息を荒くすると交感神経が活発に。
・呼吸と自律神経系をつなぐ横隔膜
意識的に吐くことを強く→横隔膜活発に。
・ストレスをやわらげる呼吸法
20秒吐き続けるとストレス減少(心拍穏やか)
加齢で上がる心拍数を抑える腹式呼吸
第3章 呼吸で体はここまで変わる
・有酸素運動の重要性
・血液をアルカリ性に保つ呼吸法
・「呼吸商」でわかるカロリー消費
運動強度・メッツ
・疲労をためない呼吸法
有酸素運動なら乳酸が生まれない。疲れない。
・血圧を下げる呼吸法
息を吸うと上がり、吐くと下がる血圧。
立ち続けると下半身に血が溜まり、貧血。
ため息は、考え事で呼吸が浅くなり、増加した炭酸ガスの排出運動!
・健康の敵・活性酸素と呼吸
第4章 科学の目で見た呼吸法
・気功の呼吸法
調心・調身・調息
吐く息を長くすると自然に腹式に。
気持ち良い、温かいという自己暗示。
ベルト着用、腹部の圧迫→丹田意識
・ヨーガの呼吸法
ヨーガとは、「馬に馬具をつける」こと。
・座禅の呼吸法
『夜船閑話』
心は心をもって制することはできない、息をもって
・歌唱による呼吸と健康効果
感情表現は呼息の仕方。
カラオケで声を出す→リラックス・運動・ストレス解消→朗読も同じ!
※朗読の利点を考える
第5章 健康と活力を生み出す呼吸体操
・腹式呼吸を会得するための呼吸体操
下腹部に手を当て、あー、いー、うー、えー、おー。6秒ほど伸ばす。3秒吸う。
・癒しの長寿体操
首、胸、腕、両腕・両脚、上体、膝、両手、羽ばたき、腰、首、深呼吸。
・自律神経系のバランスを整える真向法
前屈と後屈に呼気・吸気を組み合わせる、キープ
・ストレス解消体操の益気功
開く時は吸う、閉じるときは吐く
腕の上げ下げ。上げて吸い下ろして吐く
・腹式呼吸の簡単なトレーニング法
ローソク吹き流し・吹き消し
吹き矢、風船、液体吹き込みストローの幅
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