『ロミオとジュリエット』
原題:Romeo and Juliet
作:ウィリアム・シェイクスピア
1595年前後

_20190508_231554

「数ある悲恋の中でもロミオとジュリエットの物語ほど痛ましいものはない。」

有名なやつです。
対立する家柄の一人息子と一人娘が恋に落ち…という、分かりやすくワクワクするストーリー。

有名な焼き直しだと『ウエスト・サイド物語』とかですかね。
対立からの悲恋からの和平、という、
どの時代の人間にも共感性の高そうな物語の作り。

有名な、ロミオ、ロミオ、どうしてあなたはロミオなの?
のバルコニーの場は二幕二場。
一度は口に出してみたいやつですね。

学生の時に読んだ時には、
ロミオ、ジュリエット、がんばれ!
神父使えない!
とか思ったもんですが、
今読んでみると、
ロミオもジュリエットもまっすぐすぎて見てられない!神父かわいそうに!
でも神父使えない!
みたいな感想になってたのが面白かったです。

誰もが応援したくなるロミオとジュリエット、
という構造を、うまく成立させられるかが鍵になりそうな、あま〜い戯曲。
そしてその背後にしっかり漂う血の匂い。
あらが多く見えるものの、
普遍の名作、ですね。
とっつきやすいシェイクスピア戯曲。
シェイクスピア入門にもってこいかと。

_20190508_231420

宣伝。
私、シェイクスピアをモチーフにラインスタンプを作っています。

_20190507_230612

【書籍情報】
『ロミオとジュリエット』訳:松岡和子
1996年 ちくま文庫



【ネタバレあらすじメモ】

プロローグ
いずれ劣らぬふたつの名家…から始まる、
対立する家柄を煽る前口上。

第一幕

第一場
モンタギューとキャピュレットの家の争い。
街規模。
大公の仲裁、争うものは死刑!
騒ぎ治まる。
モンタギューとベンヴォーリオによる、
ロミオの悩み聞き出し。
ロミオはロザラインに恋をして病んでいる。
他にも女はいると励ますベンヴォーリオ。

第二場
大公の親戚のパリスくん、
キャピュレットに、娘のジュリエットと結婚したいと告げるが断られる。だが、娘本人が承諾するなら別だ、と。
今日はキャピュレット美女パーティーがあるから、そこから娘を、嫁を探せ、と。
パーティーのための使いに出された従者は、字が読めず、出会ったロミオに読み方を聞く。
ロミオとベンヴォーリオは、キャピュレット美女パーティーに潜入することにする。

第三場
キャピュレット夫人、乳母、ジュリエット。
乳母の話は長い。コメディ担当。
夫人は、ジュリエットに、パリスの求婚の件を伝える。
パーティーはもうすぐ。

第四場
パーティーに侵入しようとするベンヴォーリオ、ロミオ、マキューシオ。
マキューシオの話は長い。
侵入直前に胸騒ぎ、悲劇の予感を匂わせるロミオ。

第五場
賑わうパーティー、キャピュレットの挨拶。
ロミオはジュリエットに一目惚れ。
キャピュレット家のティボルトがロミオを発見、
ケンカを売り掛けるも、キャピュレットに止められる。
ロミオはジュリエットと話をし、キス。
パーティーの終了、ジュリエットもロミオに恋。
しかし、モンタギューの一人息子と知る。

第二幕

第一場
序詞役が、敵同士の恋を強調。
帰り道、ロミオはキャピュレット家に一人引き返す。

第二場
バルコニーのジュリエットに話しかけるロミオ。
名場面。
「ああ、ロミオ、ロミオ、どうしてあなたはロミオなの?」
思いの通じ合う二人。
翌日の朝、使いを出して式をあげようと約束。
ジュリエット何度も引っ込みかけるギャグ。
ロミオはその足で、神父に相談に向かう。

第三場
ロレンス神父に、ジュリエットへの恋を告げ助力を乞うロミオ。
神父は軽薄さに叱り飛ばすも、
この恋が両家の不和の解消になるかもと、話を聞く。

第四場
ロミオはベンヴォーリオ、マキューシオと合流。
使いに出された乳母に出会い、二人を帰して話。
今日の午後、教会で結婚式をしようという伝言。

第五場
乳母がジュリエットに、その事を伝えに行く。
話が長い。

第六場
ジュリエットと教会で会い、結婚。

第三幕

第一場
ベンヴォーリオとマキューシオはティボルトに遭遇、
マキューシオ対ティボルト。
そこへロミオがやってくる。
かねてロミオに決闘状を出していたティボルトはロミオにケンカを売るが、
結婚したばかりのロミオは、ティボルトの事も愛していると伝える。
頭にきたティボルト。
ロミオの態度にマキューシオも腹が立ち、
再びマキューシオ対ティボルト。
仲裁に入ったロミオの影からティボルトに刺されてマキューシオ死亡。
ロミオも怒りティボルトを殺し、逃亡。
大公やってくる。
ベンヴォーリオが事情を説明。
死刑を望むキャピュレット。
大公は、マキューシオの血も流れた事から、
ロミオは追放処分とした。
ただし、次にヴェローナで見かけたら命はない、と。
「人殺しを赦すような慈悲は、殺人にひとしい。」

第二場
ロミオがやってくる夜を待ちきれないジュリエット。
そこへ乳母が、ティボルトが死んだ、ロミオは追放、の知らせを持ってくる。
ここも核心がなかなか伝わらない話し方でややコメディめく。
ジュリエットは悲嘆にくれる。
今夜、最後のお別れをいいにきて、と、
乳母に指輪を持たせ使いに出す。

第三場
神父の所に隠れているロミオ。
神父は
追放の知らせを持ってくると、ロミオは死刑より辛い、
なぜならジュリエットに会えないからだとわめく。
「ハエは自由なのに、僕は追放だ」
そこへ乳母がやってきて、ジュリエットの様子を伝える。
ロミオは、ジュリエットを苦しめる自分死ねばいい!と自殺を図るが、
ロレンスに止められる。
神父は、長い説教。
お前は恵まれている、その恵みを正しく使うべきだ、と。
そして、マントヴァに一時避難、
神父が大公に赦しを乞うプランを説明。
乳母は、今夜、ジュリエットの部屋に来るようにと手引き。
ロミオ落ち着く。

第四場
キャピュレット、夫人、パリス。
パリスとの結婚が木曜日と決まる。

第五場
ベッドインして朝を迎えたと思われるロミオとジュリエット。
そこへ乳母が、夫人がやってくると伝える。
ロミオとジュリエットの別れ。
不吉な雰囲気を醸す。
夫人、やってきて結婚の事を伝える。
続いてキャピュレット。
結婚を拒否する娘にガン切れする両親。
不寛容。
乳母も、パリスと結婚するのがいいと言い始め、
孤立したジュリエットは神父に助けを請う事にする。


第四幕

第一場
神父の所にはパリスが、結婚式の相談。
そこへジュリエット。
愛の言葉を注ぐパリス、帰っていく。
ジュリエット、良い知恵を出せ、でなきゃ死ぬと神父に。
神父は、仮死状態になる薬を使うことを提案。
ロミオに手紙も出しておく、と。
ジュリエット死んだ作戦の開始。

第二場
家に戻るジュリエットの、改心したふり。
心にある本心を漏らさず良い顔をする良いシーン。

第三場
色々怖いことを考えながら、一人部屋で薬を飲むジュリエット。

第四場
結婚式の準備をするキャピュレット家の、前場と反対の動のシーン。

第五場
ジュリエットの死体を発見した乳母、キャピュレット夫妻、悲しみにくれる。パリスも。
そこへ神父がきて説教。
墓地へ向かうことに。
楽士たちのコミックシーン挟まる。


第五幕

第一場
追放のロミオのもとに、従者がジュリエットの知らせを持ってくる。
神父の知らせの前にかの報が届くのが決定的。
ロミオはすぐに墓所へ駆けつける支度。
そして、薬屋が持っていた毒薬を買い、
死人のジュリエットと添い寝する覚悟!

第二場
ロレンス神父の使いでロミオのもとに向かっていたはずのジョンが、ロレンスのもとに。
途中の街で疫病騒ぎに巻き込まれ、手紙を渡せなかったというお前ふざけんな展開。
ジュリエットが目を覚ます時は近い。
ロレンスは、急ぎ墓所へ向かう。

第三場
ジュリエットの墓に来たパリスは、ロミオと出会い決闘に。
ロミオ勝ち、パリス死ぬ。
ロミオはジュリエットの後を追うため毒薬で死亡。
神父の到着。ジュリエットを連れて出ようとする。
ジュリエットは出ず、短剣で自害。
大公やモンタギュー、キャピュレットも駆けつけ、
悲劇を目の当たりに。
ロレンスは一部始終を説明し、
大公はこれを、両家の争いの罰と説く。
モンタギューとキャピュレットは手を取り合って和解。
おしまい。