劇団鋼鉄村松
『人造カノジョ〜あるいは近未来のフランケンシュタイン〜』
脚本・演出:バブルムラマツ
日程:2018年11月28日〜12月2日
料金:一般3500円/学生2500円
会場:萬劇場

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マッドサイエンティストが恋愛シミュレーションゲームにハマって、
その情熱からリアル恋愛シミュレーションゲームを開発する、というお話。

3Dプリンター製の骨格、人工細胞を身にまとい誕生した究極のヒロイン・ひまわり。
そのリアル恋愛シミュレーションを、
インタビューに来た記者がテストプレイする。

しょうもない設定から、
アンドロイドが生命たりえない理由、
「種を残す生存本能と死への恐怖がない」
恋愛シミュレーションゲーム、という特質上、愛をプログラムされたひまわり
「種を残す生存本能」を獲得、
ここに死への恐怖が加わったら完全な生命となり人類にとっての脅威になりかねない、
という、ガチなSFに突入していく感じ、
足りないピースがマッドサイエンティストのしょうもない欲求によって揃ってしまう感じ、
観ててぞくぞくする。
コメディタッチで楽しく観せていき、
やがて恐ろしい空気感に誘い込む手腕が秀逸。
最後のドンデンに次ぐドンデンも、
井上ひさしの『珍訳聖書』を思い起こすくらいしつこいが、
SF怪談、のような趣もあり背筋がぞくりとする。
人類がとっくにいなくなった地球で、
主人を失ったアンドロイドが恋愛遊戯を繰り広げる…『マトリックス』とか『鉄のラインバレル』に近い、
色彩を失った世界の中、
ピンク色の髪のヒロインが「大事にしなかったら承知しないぞ」的な事を言い放つ姿には、
恐ろしさと共に、ある種の哀感が漂う。
一人は、寂しいのである。

劇団の過去作品『ロケットマン』とか『マークX』とかの
「どんなに隔てられていたとしても必ずあなたに会う」
みたいな感じが、今回も根幹に流れているのだなぁとしみじみ。



密かに、ボス村松の舞台上での存在の仕方に憧れる所があるのだけれど、
今回もとっちらかったパワープレイぶりが健在。
「一瞬も客席を飽きさせない」
というかのような演技ぶりは、
鋼鉄村松という劇団の歴史を、思想を、
体現しているように見えた。

ここ数年で加わった劇団員の方々も、しっかりパワーをつけている感じで、
今後が楽しみです。