『チロルの秋』
作:岸田國士
1924年9月

「このチロルの山奥で、お互に身の上話しさへしたことのない二人が……二度と再び会はないといふ誓ひを立てた上で、久しく別れてゐた恋人のやうな一夜を明かして見たら……どんなに、面白いでせう」

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ステラとアマノ、という男女の間に流れる、
愛情、なんともいえない関係性。
お互いに一歩踏み出せない何かを、
「夢遊び」で飛び越えようと試みるも、
夢はやっぱり覚めるもの。
ビターな大人の恋愛劇の風情。

『ぶらんこ』や『恋愛恐怖病』に繋がるモチーフのような、夢、ごっこ遊び、関係性。


【ネタバレあらすじメモ】

1920年の晩秋。
ホテルの食堂、午後七時。

エリザとステラが話をしている。
ステラは明日、ホテルを、アマノは明後日、ホテルを発つ。
ステラとアマノは、お互いに意識しあっている。
ステラは「奥さん」と呼ばれていることから結婚している様子。
エリザ、男性に呼び出されて出ていく。

アマノはステラを口説きにかかる。
二人で恋人ごっこをしよう、と。
ステラはアマノが日本人なことに興味があり、
自分の母も長崎の生まれだ、名前はハマ、と告げる。
それを聞いた途端、アマノの態度は硬化する。
ステラが会話の主導権を握るが、
アマノのノリは悪い。

もうごっこ遊びはやめに。
二人はおやすみを言い合い、去っていく。