『音の世界』
作:岸田國士
1931年10月

電話がキーアイテムになる戯曲。
会話の片方しか聞こえない場合、内容を想像するしかないが、
実際にはその想像とは全然違うことが話されている、という面白さ。
【ネタバレあらすじメモ】
電話で繋がれた三ヶ所の舞台。
女とその夫の部屋。
ホテルに泊まる男の部屋。
どこかの店。
初めは、夫婦の所に男から電話が来て、
妻と男が話す。
二人は、
「妻がこっそり男の隣から抜け出していなくなって」
以来の仲。偶然に再会したのだ。
夫にそれと悟られないよう、
男との会話を楽しむ女。
男は、君が好きだけど忘れられないから死ぬことにした、と、受話器の向こうでピストルの音をさせる。
電話切れる。
続いて夫が、
妻を高級な料理屋かなにかに連れていく、
と言い電話をかける。
が、かけた先はデタラメのようで、
夫は店の予約を取ろうとする素振り。
妻の前で見栄を張りたいのだろう。
女は男の居場所を訪ねて、
もう縁を切ると言い出す。
男は冗談かと思うが、
女は夫に電話をかけ、銃を男に向ける。
もちろん、空砲だと思っている…が…。
発射。
夫は、本気か冗談か分からぬ対応。
キーとなる銃声。
複雑な思惑が絡み合った結果…。
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