『説教節による見世物オペラ 身毒丸』
作:寺山修司
初演:1978年6月 天井桟敷

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「お母さん!もういちど、ぼくをにんしんしてください!」

寺山修司の有名戯曲。
舞台を観たこともないので読んでみました。

見世物小屋に地獄の光景、
呪いの人形、何でも消す消しゴム。
圧倒的に雑多な情報量、猥雑な雰囲気。
その中に、母を探し求める男と、
男を探し求めるまま母。

筋がどうこうとかじゃなく、
観て、体験して、音を、光景を、色彩を、
味わう物なんだろうなと思いました。

エネルギー量…。


【収録】
平凡社ライブラリー548
『寺山修司幻想劇集』2005年 平凡社
「レミング――世界の涯まで連れてって」
「身毒丸」「地球空洞説」
「盲人書簡(上海篇)」「疫病流行記」
「阿保船」「奴婢訓」

寺山修司幻想劇集 (平凡社ライブラリー)

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【ネタバレあらすじメモ】

1 慈悲心鳥
町に、産みの母親を探す書生がやってくる。
母の消息を知っている看護婦を訪ねてきたが、もうすでにいなくなっていた。
汽車を探し女学生に声をかけると、女学生には、
自分の母同様、顔がない。
活動を始める町。見世物小屋。

2 蛇娘
見世物小屋のかつての隆盛と、その場面。
そこへしんとくと父親がやってくる。
見世物小屋には、
「母のない子に母親をお分けします」
の文字。
父親は蛇女を選ぶ。

3 髪切虫 国民学校の犯罪
学校。しんとくは、ビンに髪切虫を入れている。
まま母の髪を食べさせるつもり。
それを見た女教師を、しんとくは、
自分のまま母ではと勘ぐる。
尻を叩かれそうになると時間が止まる。
しんとくは家に帰り、まま母ぎいるかどうかを確かめようとする。

4 鬼子母変
家に帰ると、まま母と連れ子のせんさく、
父が家族合わせのゲームをしている。
しんとくはゲームに参加しているのに無視され続ける。

5 怪人柳田国男博士
様々に姿を変える柳田国男に出会い、
置いたところに穴ができる「穴」を借りたしんとくは、地下世界に旅立つ。

6 地獄のオシラガミ
地獄世界にたどり着いたしんとくは無数の母と出会う。
母に囲まれかごめかごめ。
見てはいけない後ろの正面を見てみると、そこにいたのはまま母の姿。
しんとくは髪切虫に助けを求めると、
巨大な髪切虫が現れる。
ここで拍子木、夢が覚める。

7 附録の消しゴム
しんとくの同級生が、なんでも消せる消しゴムを土の中に埋めている。
するとふらりと一人の女、
自分を消せと頼み込む。
もう何も消さないという同級生、
すると今まで消したはずの者たちの幻がやってくる。

8 藁人形の呪い
童女、藁人形で呪いをかけている。
まま母も、藁人形で呪いをかけている。
息子のせんさくに家督を継がせるため、
しんとくに呪いをかけるのだ。
そこへ、まだ地獄をさ迷っていると思っているしんとくが目隠ししてやってくる。
まま母の後ろ姿を本当の母と思い込み助けを求めるしんとく。
まま母は呪いを断行し、
しんとくは痛めつけられ失明し、
その場を去っていく。

9 この子 誰の子 鬼袋
一年後。
脱穀機に赤子を入れて挽いている間引女たち。
機械が引っ掛かり、中から軍服を着た消しゴムの生徒が現れる。
自分はたしかに消しゴムで自分を消したはず。
軍靴の音が聞こえてくる。
逃げ去る生徒。

10  命の母の人さらい
まま母がせんさくの帰りを待っている。
帰って来たせんさくを抱き寄せると、
まま母は、まま母に化けたしんとくだった。
彼にもらい病をうつしてやると、
服を脱がせるしんとく。
見世物小屋が活気付く。

11 願人坊の赤頭巾
遺失物係に扮した柳田のもとへ、
しんとくの父が「小栗の戸籍」が落ちていたと届けにくる。
しかし、そんなものは紛失されていないと突っ返す柳田。
これを受けとれば、誰かがあぶれる事になる。
無数の印鑑が登場し、柳田は引取を促し、
やがて本当の柳田国男に戻っていく。

12 犬印安産帯のはてな?
父、まま母に化けたしんとく、せんさくが、
家族合わせの札遊び。
そこへ本物のまま母がやって来る。
まま母とまま母。
しんとくを求めていたまま母。
しんとくは服を脱ぎ去り、現れた無数のまま母が、
しんとくを残らず食べてしまう。

幕。