『瀕死の王さま』”LE ROI SE MEURT”
作:ウジェーヌ・イヨネスコ
1962年

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【名台詞】
「あと一時間半たてばあなたはお亡くなりになる、この芝居が終わればあなたは死ぬんですよ。」

【感想】
ロンドンで上演を観たやつの、戯曲を読んでみました。
「イヨネスコの中では」分かりやすい、とされる戯曲らしく、
確かに今まで触れたイヨネスコ戯曲よりはなんとなく筋が通ってるように思えました。

王様が登場するや否や、王妃に
「あなたはあと1時間半の命」
とか、終演時間と同時刻の余命を告げられる、というシアトリックな展開。

それから急に白髪になったり、
国民(観た上演では観客を国民に見立てていた)に助けを求めたりした挙句、
本当に死ぬ、という話。

始終、この「死」という物が舞台上に置いてあって、
それと人間はどう向き合うのか、という感じの戯曲。
王様個人の死の話をしているんだけど、
王様は何百年も生きてた設定だったり、
王様の体調がそのまま天候やなにかの乱れに繋がったりする描写が多くて、
王様の死が、個人ではなく人類の、果ては地球そのものの死、のようにも読めてくる不思議。

いよいよ死の間際、
周りの人物がどんどん姿を消していったり、
王妃が王様から、見えない銃やブーツなどを脱がせていくシーンが印象的。
そこへは何も持っていけない。
忘れもしないが思い出せもしない場所への旅を、
王様が歩み始めた時、
なんとなく胸の奥が締め付けられる感じがするのです。


【収録】
『イヨネスコ戯曲全集3(全4巻)』
訳:大久保輝臣、諏訪正、塩瀬宏、安堂信也
アルマ即興/無給の殺し屋/四人ばやし二人で狂う……好きなだけ/瀕死の王さま
1969年 白水社


イヨネスコ戯曲全集〈第3〉 (1969年)

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【ネタバレあらすじメモ】

衛兵、第一王妃マルグリット、第二王妃マリー(若くて王に愛されている)、家政婦ジュリエット、国王の侍医らが、
王の病状について話し合っている。
国では天変地異が頻発し、侍医の診断では国王の命は長くない。

王が登場する。
真実を濁そうとするマリーと、
真実を告げようとするマルグリット&医者。
王は元気だというが、色んな所に痛みがある。
かつては命令すればその通りの事が起きていたが、
今は何も起こらない。
衛兵もマリーも、彼の言うとおりには動かず、
なぜかマルグリットの言うことを聞く。
(おそらく、継承権があるからじゃなかろうか)
やがて王は死への恐怖に取りつかれる。
王の髪は白髪に変わる。
その後、急激に力を失っていく王さま。

死に抗い、シチューが喰いたいだのとあらゆる駄々をこね、
助けを求め、衰えていく。

だんだん人が減っていき、やがてマルグリットと二人。
装置も次々なくなっていき、
王さまは死へと旅立っていく。