『バルカン動物園』
作:平田オリザ
初演:1997年
同時多発会話がとにかく目を引く、
平田オリザ戯曲。
開いたページが二段組になってて、
上下にそれぞれ台詞がある。
見た目のインパクト。
科学の話が沢山。
少し未来、ヨーロッパで大きな戦争が起こっていて、
脳だけで生きてる人の話に。
それは生きてるといえるのか、などなど、
生命倫理的な問いが多数。
いわゆる劇的、なことはもう既に起こった後だったり、
舞台上にはやってこなかったりする、
静かな、演劇。

↑ところでこのヨムゲキシリーズ、
絶版とかになったのかしら。
昔はよく本屋さんで見たけど、
今Amazonで三倍の値段…。
【収録】
『バルカン動物園 ヨムゲキ100』
作:平田オリザ
2001年 演劇ぶっく社
【ネタバレあらすじメモ】
ヨーロッパで大きな戦争があったらしい。
日本の研究所では、
「戦争で脳だけになった外国人が運ばれてくるらしい」
という話で持ちきり。
実際にそれがやってくる。
倫理の話とか、それは生きていると言えるのか、
とか。
免疫反応の話。
機械と生命体の割合がどのくらいになったら、
生きてると言えるのかの話。
裏では動物実験が進む。
教育実習の模擬訓練。
サルがシェイクスピアの文章を作れる可能性は?
奇跡の積み重ねでこの世は出来ている。
生命の歴史に比べると、
人種などは小さなこと。
脳の受け入れが決まる。
人の脳が一番活性化するのは、確信を得たとき。
なぜ花を好きか、という、美しい終わり方。

コメント