『運命の人』/The Man of Destiny
作:バーナード・ショー
1895年
冒頭のト書きが4ページくらいある戯曲。
ナポレオンは英雄視されるが、
彼が英雄とされる要因は何か、みたいなことが作品の前提として提示される。
で、出てくるナポレオンが登場すると、
割と怒りっぽかったり、
些細な事に動揺したりと、
「英雄的」でない感じの人間ぶりを見せる。
あとがきによれば、バーナード・ショーはいくつか歴史劇を書く中で、
「英雄もただの人」という視点を強く持っていたとか。
そういうの面白いなぁ。
この戯曲は延々、
「ナポレオンの妻が浮気してるかもしれない手紙」
を巡るごたごたで、
ちょっと飽きてくる感はありましたが。
後半のイギリス人ディスりのくだりが面白い。
【ネタバレあらすじメモ】
イタリアの宿屋に逗留する若きナポレオン。
命令を出していた少尉が、男に機密文書を盗まれたと言って帰ってくる。
そして宿屋の奥から女の声。
それは、機密文書を盗んだ人物の声らしい。
女が男装して書類を盗んだのだ。
女が登場。
ナポレオンと女、二人で会話。
女が機密文書を盗んだのは、
軍の情報を盗みたかったからでなく、
その中に紛れてしまった友人の女性の手紙、
それも、浮気相手に送った手紙を取り戻したかったからだと告げる。
そしてその女性とは、
ナポレオンの妻なのだと。
だんだん手紙を読みたくなってくるナポレオン。
だが、話がヒートアップして、お互い「書類は別にいらない」
みたいなことになってくる。
最終的に女の手に。
ナポレオンは、書類を盗まれた少尉に
「必ず取り返すように、出ないと隊の前で免職する」と告げる。
少尉は必ず取り戻すと息巻くが、
男を探そうとしてる少尉には永遠に見つけられるはずがない。
そのやりとりを見た女は、
「彼の生涯を台無しにしないで」
とナポレオンに言うが、聞く耳持たず。
女は少尉に
「必ず取り返させてあげる」と約束、
部屋に戻り男装して現れる。
女の兄だと告げる男。
妹は巫女なのです(魔女、的なことかしら)
と言うと、ナポレオンの胸元から書類が出てくる。
巫女に恐れおののく一同(なぜだ)
女の部屋に行くと女はおらず、
突然姿を消したことに恐怖が高まる一同。
一件落着感の後、
ナポレオンと女の対話。
実はこっそり手紙を読んでいた、と告白するナポレオン。
幕
『アンドロクリーズと獅子』
作:バーナード・ショー
訳:市川又彦
1954年 角川文庫
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