『ある親子の問答』
作:岸田國士
1928年1月

「それがいけないんですよ、お母さん、あなたの考へておいでになる幸福とやらが、そのまま僕の幸福だと思つてらつしやるからいけないんです。」

「お母さん、僕達は、もつと、ほかの愛し方はできないでせうか」


明かされない謎がいくつかあって、
母と息子の関係性、
父と息子の関係性、
父と母の関係性が、
なんかどうとでも考えられそうな妄想膨らむ戯曲。

母と、結婚しようとしない息子との対話、
という構図が『葉桜』っぽいなと思いながら読んでいくが、
お父さんの亡霊出てくるし、
足揉みながら泣いてるし、
すごい所に着地した感触。

父の亡霊との対話、はどうしてもハムレットを思い出しますね。

【ネタバレあらすじメモ】
息子がどうして結婚しないのか、それを聞き出したい母。

子供が親から受け継ぎたくないものまで受け継いでしまうこと、
子供は生まれようと思って生まれてくるのではないこと、
この二点がどうしても気に食わない青年。

この二人による会話。

そして母が去ると、
父の亡霊が現れる。
父は死に目に会いに来てくれなかった息子に
「わしがお前を愛してゐるということを信じてくれるか」
と聞きたくて現れた。
父を愛している、
という事を否定にかかる息子だが、
実際はそうではなかったようだ。
亡霊は去る。

・青年が家に帰ったとき、母は
「世の中にこれほど悲しい言葉があるか」
と思うほど悲しい言葉を放ったという。
それは、何なのか。

母が心配してやってくる。
父のことについて、あれこれ母に訪ねる青年。
亡霊が、お前は昔の自分だ、と言ったことが気にかかるのだろうか。

青年は母に、足をさするよう命じる。
母、泣きながら足をさする。

幕

・なぜ泣いてるのか。
「僕の頭に喰ひ入つている不思議な思想の力を、
僕はきつと払ひのけて見せます」
・青年の言う、苦しい闘い、とは。
なんなんだ。マザコン的なあれなのか?