『海神別荘』
作:泉鏡花
1912年
初演:1955年 歌舞伎座
もう、圧倒的な、鏡花的美の塊な戯曲。
まず、役名が美女て。
美男美女か妖しか存在を許されない研ぎ澄まされた世界観が圧巻。
話としては
さらった女と契りを結ぶ、
ってだけのひらたいストーリーだけど、
台詞もいちいち美文でリズムがよくて、
こりゃたまらん!
祝祭感にも満ち溢れるラスト。
難点は、読みにくい!
『夜叉ヶ池』
『天守物語』
くらいしか触れてなかったけど、
もっと読んでみよう。
名作ザクザクの予感。
【ネタバレあらすじメモ】
乙姫の弟らしい公子の宮殿に、僧都が訪ねてくる。
この度の縁談、
(つまり人間の娘が、海の財宝と引き換えに海に捧げられたのだが)
での、結納物を報告する。
いずれも豪華な品だが、
公子にとってはつまらぬ物ばかり。
やがて、今回の美女の警護方法が、
「市中引き回し」
に似た感があり不吉、という僧都の疑念を払うため、
古今の事例の検証に入る。
知っていることは何でも文字に現れる宝物の辞典のやり取り。
結果、心配することは何もないとの結論。
公子は美女の到着を待ちわび、
侍女らとすごろくを始める。
と、鮫に一人の侍女がさらわれる。
公子は鎧を身に付け龍の姿に、
たちまち侍女を取り戻す。
と、美女の到着。
なんでもあなたの願いは叶うとの公子の言に、
美女は
「自分が生きていることを家族に知らせること」
「宝物を人に見せたい」
の二点を主張。
強い主張と顕示欲に公子はがっかりし、
村人に姿を見せてもその目には龍としか映らないからやめろ、
と諭すが、美女は故郷へ向かう。
とすぐに、ボロボロになって帰ってくる。
村の者に襲われたのだ。
美女は、あなたの魔法のせいでこんなことにと公子を責める。
公子はこういうのが嫌いなので、
殺すよう命じる。
黒潮騎士たちは美女を殺そうとするが、
美女は
「殺すなら自ら手をくだせ!」
と主張。
公子は剣を取り彼女に刃を向けるその刹那、
美女は彼の姿に圧倒的美を感じ、
「故郷のことは忘れた、殺されても本望」
と言い放つ。
公子、刃を納め、
彼女と契りを結ぶ。
故郷には竜胆の花が咲き誇る。
ここは天国ですか?
いや、天国ではない。
幕。


作:泉鏡花
1912年
初演:1955年 歌舞伎座
もう、圧倒的な、鏡花的美の塊な戯曲。
まず、役名が美女て。
美男美女か妖しか存在を許されない研ぎ澄まされた世界観が圧巻。
話としては
さらった女と契りを結ぶ、
ってだけのひらたいストーリーだけど、
台詞もいちいち美文でリズムがよくて、
こりゃたまらん!
祝祭感にも満ち溢れるラスト。
難点は、読みにくい!
『夜叉ヶ池』
『天守物語』
くらいしか触れてなかったけど、
もっと読んでみよう。
名作ザクザクの予感。
【ネタバレあらすじメモ】
乙姫の弟らしい公子の宮殿に、僧都が訪ねてくる。
この度の縁談、
(つまり人間の娘が、海の財宝と引き換えに海に捧げられたのだが)
での、結納物を報告する。
いずれも豪華な品だが、
公子にとってはつまらぬ物ばかり。
やがて、今回の美女の警護方法が、
「市中引き回し」
に似た感があり不吉、という僧都の疑念を払うため、
古今の事例の検証に入る。
知っていることは何でも文字に現れる宝物の辞典のやり取り。
結果、心配することは何もないとの結論。
公子は美女の到着を待ちわび、
侍女らとすごろくを始める。
と、鮫に一人の侍女がさらわれる。
公子は鎧を身に付け龍の姿に、
たちまち侍女を取り戻す。
と、美女の到着。
なんでもあなたの願いは叶うとの公子の言に、
美女は
「自分が生きていることを家族に知らせること」
「宝物を人に見せたい」
の二点を主張。
強い主張と顕示欲に公子はがっかりし、
村人に姿を見せてもその目には龍としか映らないからやめろ、
と諭すが、美女は故郷へ向かう。
とすぐに、ボロボロになって帰ってくる。
村の者に襲われたのだ。
美女は、あなたの魔法のせいでこんなことにと公子を責める。
公子はこういうのが嫌いなので、
殺すよう命じる。
黒潮騎士たちは美女を殺そうとするが、
美女は
「殺すなら自ら手をくだせ!」
と主張。
公子は剣を取り彼女に刃を向けるその刹那、
美女は彼の姿に圧倒的美を感じ、
「故郷のことは忘れた、殺されても本望」
と言い放つ。
公子、刃を納め、
彼女と契りを結ぶ。
故郷には竜胆の花が咲き誇る。
ここは天国ですか?
いや、天国ではない。
幕。
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