『タチヤナ・レーピナ』
原題:Tatiana Repina
作:アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ
初出:1889

結婚式がまるまる一つ舞台に乗ってる。
人が超多い。
結婚式場で、お客さんを参列者にして、
役者を混ぜこんで上演したら面白そう、
と思ったものの、
ラストシーンは会場に数名しか残らない。
お客さん→参列者だと、
ラストシーンを目撃できる観客がいないねこりゃ。

結婚式の、色んな風景が皮肉って書いてあったりするけど、
祝いの言葉の質感の変化が最高に上手い。
言葉の質量は、聴くものの聞き方によってこうも変わるのだ。


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『チェーホフ一幕物全集』
訳:米川正夫


【ネタバレあらすじ】
サビーニンとオレーニナの結婚式。
神父の長い話に、人々は退屈し始める。
咳をするものあり。
最近服毒自殺をしたタチナヤ・レーピナの話に。
と、人を押し退ける黒衣の女。
それを見て新郎は震え出す。
「タチヤナだ!」
新郎サビーニンは、
以前タチヤナと浮気をしていたが別れた、
タチヤナは夫に捨てられ服毒自殺した、
ということが群衆のひそひそ話で。
サビーニンにとって、聖歌も祝詞も、
彼を責め立てる言葉に変わって行く。
なんとか式の終わりまでたどり着いた新郎新婦。
新郎サビーニンは、墓に行って供養をしなくちゃ、と、半ば狂乱の体。

人が帰った後の教会。
教会守のクジマーは愚痴をこぼす。
昨日は葬式、今日は婚礼。
だけどなんの意味もない、
神様は誰のことも見ちゃいない。

そこへ黒衣の女が現れる。
タチヤナではなかったものの、
女の名誉のために毒を飲んだという。

タチヤナが墓の中なのにあの男は、
と言いながら
「助けて頂戴!わたしを助けて!助けてぇ!」