『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦』
監督:原恵一
製作:2002年 日本
上映時間:95分
これまた号泣してしまいました。
草剛と新垣結衣主演で実写化された『BALLAD 名もなき恋のうた』
の、元ネタになっている映画です。
『BALLAD 名もなき恋のうた』は公開時に映画館で観て、
いい話だなぁ、と思ったのを今でも覚えてます。
が。が、ですよ。
元ネタのこちらはもっと良い話でした。
諸行無常感、というんでしょうか。それがもの凄く強い。
野原一家が戦国時代にタイムスリップしてしまい、
その時代の人々と触れ合う、という内容なんですが、
そこの侍が「お前たちの時代には戦はないのか」と驚く。
「こうして一国をがんばって守ってみた所で、後には何も残らないのか」
というとこにグッときますね。
しかし、変わらないものもあって、
青空侍が愛した空は、戦国でも現代でも存在している。
ここでまた、グッとね、きますね。
そしてもう一つは、
運命、というものについて。
この作品、タイムスリップものではあるんですが、
「運命」という力は大きく働いていている模様。
タイムスリップして、誰かを救う、というのが時間旅行の一つの醍醐味ですが、
「助からないものは助からない」
「滅びるものは滅びる」
という、厳しい運命力を感じさせられます。
このシビアさが一つの魅力。
『ファイナルデスティネーション』風に言えば死の力、ですが。
ただ、この先延ばしにされた死、によって、
非常に大きな変化が沢山ある。
歴史的には何の変化もないのですが、
人のあり様、というのが。
結果は変わらずとも、人の生き方が変わっている、というか。
歴史書に野原一家の事が記されている、とかの点では変わってるのかもですが。
そして、ギャグもキレキレ。
間合い、が絶妙でした。車の中で「戻れ戻れ」と念じて戻らないとことか、
最強の間。おもろいです。
馬鹿馬鹿しくて面白くて、そして切ない。
とても良い映画でした。
戦国時代の戦い方が忠実に再現されている映像としても、
非常に貴重なんだとか。


【あらすじ・ネタバレ】
これから観たい人は読まない方がいいです。
思い出す用に最後まで書いてます。
ある日、共通の夢を見た野原一家。
美人のお姫様が物悲しそうにしている夢だ。
その朝、シロが急に庭を掘り出し、そこからは「てんしょうにねんにいる」という手紙が出てくる。
それを見た途端、しんのすけはタイムスリップ。
そこで一人の武将・井尻又兵衛(いじりまたべえ)を救う。
その井尻に世話になるしんのすけ。彼は姫に恋をしており、
しかし身分の関係から、相思相愛ながら二人ともそこには踏み込めないでいる。
(この姫の思いこそが、しんのすけたちをこの時代に導いたのだ)
野原一家も、後を追ってタイムスリップしてやってくる。
ひろしはあらかじめ歴史書で時代の事を調べていたが、
そこに自分たちの名が記されていた事に不安を覚えている。
そんな時に決まる姫の縁談。
が、城主はひろしたちから未来の話を聞き、考えを改める。
「どうせ残らぬ家ならば好きにしたい。娘は嫁にはやりたくない。」
これが原因で始まる隣国との戦。
井尻は味方の軍を率いて出陣。
大幅な数の差に、決死の早朝奇襲作戦。
その隙に車で逃げろと言われた野原一家だが、
井尻たちと共に過ごした時間は見殺しにするには深く、
「野原一家、義によって助太刀いたす!」
と車で戦場を駆け回り(ここがめちゃくちゃかっこいい。泣く。)
井尻を敵の大将まで導く。
劣勢と見た敵将は、部下に時間を稼がせ、その間に逃亡を図る。
その前に立ちふさがるしんのすけ。
「おまえ逃げるのか?一番偉いんだろ?お前のせいでこんなことになってるんだろ?」
そして野原一家で敵将を撃退。
敵将の首をとろうとする井尻に対ししんのすけ。
「この人も反省してるから許してやって」
そして、まげだけ頂戴する井尻。
戦は終わった。
凱旋する井尻の姿を見て、意を決して何か声をかけようとする姫。
そこに一発の銃声が響いた。
胸を撃ち抜かれている井尻。駆け寄るしんのすけ。
「お前は俺の命を救い、大切な国と人を守る働きをさせてくれた。
その日々を、俺にくれるためにやってきたのだ。」
井尻から短刀を受け取るしんのすけ。
姫に、「本当はおじさんも…」と井尻の思いを伝えようとするしんのすけだが、
井尻との男同士の約束を胸に、思いとどまる。
こうして、野原一家は現在に帰っていった。
青空に浮かぶ雲。
国も人も亡くなった現在でも、
空は変わらぬ青、そして、雲。
井尻の旗印がそこにはあった。
おわり。
監督:原恵一
製作:2002年 日本
上映時間:95分
これまた号泣してしまいました。
草剛と新垣結衣主演で実写化された『BALLAD 名もなき恋のうた』
の、元ネタになっている映画です。
『BALLAD 名もなき恋のうた』は公開時に映画館で観て、
いい話だなぁ、と思ったのを今でも覚えてます。
が。が、ですよ。
元ネタのこちらはもっと良い話でした。
諸行無常感、というんでしょうか。それがもの凄く強い。
野原一家が戦国時代にタイムスリップしてしまい、
その時代の人々と触れ合う、という内容なんですが、
そこの侍が「お前たちの時代には戦はないのか」と驚く。
「こうして一国をがんばって守ってみた所で、後には何も残らないのか」
というとこにグッときますね。
しかし、変わらないものもあって、
青空侍が愛した空は、戦国でも現代でも存在している。
ここでまた、グッとね、きますね。
そしてもう一つは、
運命、というものについて。
この作品、タイムスリップものではあるんですが、
「運命」という力は大きく働いていている模様。
タイムスリップして、誰かを救う、というのが時間旅行の一つの醍醐味ですが、
「助からないものは助からない」
「滅びるものは滅びる」
という、厳しい運命力を感じさせられます。
このシビアさが一つの魅力。
『ファイナルデスティネーション』風に言えば死の力、ですが。
ただ、この先延ばしにされた死、によって、
非常に大きな変化が沢山ある。
歴史的には何の変化もないのですが、
人のあり様、というのが。
結果は変わらずとも、人の生き方が変わっている、というか。
歴史書に野原一家の事が記されている、とかの点では変わってるのかもですが。
そして、ギャグもキレキレ。
間合い、が絶妙でした。車の中で「戻れ戻れ」と念じて戻らないとことか、
最強の間。おもろいです。
馬鹿馬鹿しくて面白くて、そして切ない。
とても良い映画でした。
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これから観たい人は読まない方がいいです。
思い出す用に最後まで書いてます。
ある日、共通の夢を見た野原一家。
美人のお姫様が物悲しそうにしている夢だ。
その朝、シロが急に庭を掘り出し、そこからは「てんしょうにねんにいる」という手紙が出てくる。
それを見た途端、しんのすけはタイムスリップ。
そこで一人の武将・井尻又兵衛(いじりまたべえ)を救う。
その井尻に世話になるしんのすけ。彼は姫に恋をしており、
しかし身分の関係から、相思相愛ながら二人ともそこには踏み込めないでいる。
(この姫の思いこそが、しんのすけたちをこの時代に導いたのだ)
野原一家も、後を追ってタイムスリップしてやってくる。
ひろしはあらかじめ歴史書で時代の事を調べていたが、
そこに自分たちの名が記されていた事に不安を覚えている。
そんな時に決まる姫の縁談。
が、城主はひろしたちから未来の話を聞き、考えを改める。
「どうせ残らぬ家ならば好きにしたい。娘は嫁にはやりたくない。」
これが原因で始まる隣国との戦。
井尻は味方の軍を率いて出陣。
大幅な数の差に、決死の早朝奇襲作戦。
その隙に車で逃げろと言われた野原一家だが、
井尻たちと共に過ごした時間は見殺しにするには深く、
「野原一家、義によって助太刀いたす!」
と車で戦場を駆け回り(ここがめちゃくちゃかっこいい。泣く。)
井尻を敵の大将まで導く。
劣勢と見た敵将は、部下に時間を稼がせ、その間に逃亡を図る。
その前に立ちふさがるしんのすけ。
「おまえ逃げるのか?一番偉いんだろ?お前のせいでこんなことになってるんだろ?」
そして野原一家で敵将を撃退。
敵将の首をとろうとする井尻に対ししんのすけ。
「この人も反省してるから許してやって」
そして、まげだけ頂戴する井尻。
戦は終わった。
凱旋する井尻の姿を見て、意を決して何か声をかけようとする姫。
そこに一発の銃声が響いた。
胸を撃ち抜かれている井尻。駆け寄るしんのすけ。
「お前は俺の命を救い、大切な国と人を守る働きをさせてくれた。
その日々を、俺にくれるためにやってきたのだ。」
井尻から短刀を受け取るしんのすけ。
姫に、「本当はおじさんも…」と井尻の思いを伝えようとするしんのすけだが、
井尻との男同士の約束を胸に、思いとどまる。
こうして、野原一家は現在に帰っていった。
青空に浮かぶ雲。
国も人も亡くなった現在でも、
空は変わらぬ青、そして、雲。
井尻の旗印がそこにはあった。
おわり。


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