エイチ・アンド・ビースタッフ
『マクベス』
原作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:河合祥一郎
演出:西沢栄治
日程:2015年9月30日〜10月4日
料金:前売4000円/当日4200円
会場:ラゾーナ川崎プラザソル
なんだか知り合いが沢山出ているので観に行ってきました。
マクベスだし。
新国立劇場演劇研修所の出身の方が出演者の大多数を占めていた模様。
出演者は12人。
ドナルベインやら、ケイスネスやらメンティスやら、老シーワード&小シーワードやら、
色んな人物が削られ、統合されの上演時間110分。
まぁ、単純な感想として、マクベスはやっぱり面白い。
一回やってるので愛着がある、ってのもあるんですが、
なんともスピィーディーに事が展開していき、人々がゴロゴロ転がり落ちてゆく疾走感。
たまらんですね。
舞台は簡素な対面客席。
このくらいで全然ありです。
なんもないは、時に一杯あるより優秀。
出演者は女性一人のみという、男臭いカンパニーで、
何人もがうぁーとかうぉーとか言いながら喜びあったり血を流したりする感じは、
何かスポーツでも観ているような感覚がありますな。
所々、ギャグに寄ってる感があったのが、
私は好みではなかったのですが、笑ってる方は多かった。
確かに、晩餐の席がないシーンは殺されたバンクォーのお茶目ギャグですが、
あそこで笑いが起きる、ってのはそれだけマクベス&マクベス夫人の人間が小さくなっちゃうような気が。
殺したはずの親友が晩餐に出席していて、
それを見て取りみだすマクベス。
必死に「あの人の持病です、すぐ治まります」とか無理のある嘘吐いて取りつくろう夫人。
確かに斜めに見ると滑稽極まりないシーンなんだけど、
ここで笑いにいっちゃうと、その後がなぁ…と思いました。
亡霊に翻弄されへたりこむ夫婦が、もはや喜劇に見えてしまう、というか。
ダンカン王暗殺後のマクベス
「怒りに駆られて容疑者殺してしもた!」
の件も、そりゃ、明らかに不自然。怪しいのはお前だ、ってのはもちろん分かるんだけど、
その面白さは客席だけに取っておいて欲しいような気がするんですね。
わざわざ「ここ面白いよ」アピールされなくても、なぁ、と。
亡霊に話を戻すと、
バンクォーの亡霊が妙な笑顔なのは、逆に面白かった。
それまでのバンクォーが、結構良い感じの「馬鹿の出来る豪傑」として作られているので、
あの笑顔も成立。
その後のマクベス×魔女3人のシーンも、
ちょっとギャグに走り過ぎ感はあるような。
その辺のさじ加減が、
マクベス&夫人が転がり落ちて行く「ゴロゴロ」の音を、
「コロコロ」くらいにスケール縮めてしまっていたような気がします。
こんだけ骨のある役者が揃っているようですから、もっと正攻法で攻めて良かったのでは、と思います。
あと、音響って、やっぱ強いイメージがある曲が流れるとちと残念感がありますね。
すごく気持ちは分かるけど、グラディエーターはいただけないと個人的には思います。
さて。
今回面白かったのは、イングランドに逃亡したマルカムとマクダフのシーン。
ここのマルカムが、良かった。薄平広樹。
お前、頑張ってたんだなぁ!と、
マルカムが心を許した瞬間に全てが湧き出るようで、
あぁ、こういう成立のさせ方あるのね、このシーン。と。
あと、バンクォー。日下諭。あぁ、こいつは確かに生かしとくと怖い。
そう思えるバンクォーでございました。
全体的に、上演時間も含めて、観やすいマクベス。
ラストシーンの国王万歳は、賛否両論ありそうですが、
僕は好きでした。
がんばったね、がんばり方間違えたかもしれないけど、
とにかくがんばった。
そう声をかけたくなるマクベスのラストが印象的でした。

『マクベス』
原作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:河合祥一郎
演出:西沢栄治
日程:2015年9月30日〜10月4日
料金:前売4000円/当日4200円
会場:ラゾーナ川崎プラザソル
なんだか知り合いが沢山出ているので観に行ってきました。
マクベスだし。
新国立劇場演劇研修所の出身の方が出演者の大多数を占めていた模様。
出演者は12人。
ドナルベインやら、ケイスネスやらメンティスやら、老シーワード&小シーワードやら、
色んな人物が削られ、統合されの上演時間110分。
まぁ、単純な感想として、マクベスはやっぱり面白い。
一回やってるので愛着がある、ってのもあるんですが、
なんともスピィーディーに事が展開していき、人々がゴロゴロ転がり落ちてゆく疾走感。
たまらんですね。
舞台は簡素な対面客席。
このくらいで全然ありです。
なんもないは、時に一杯あるより優秀。
出演者は女性一人のみという、男臭いカンパニーで、
何人もがうぁーとかうぉーとか言いながら喜びあったり血を流したりする感じは、
何かスポーツでも観ているような感覚がありますな。
所々、ギャグに寄ってる感があったのが、
私は好みではなかったのですが、笑ってる方は多かった。
確かに、晩餐の席がないシーンは殺されたバンクォーのお茶目ギャグですが、
あそこで笑いが起きる、ってのはそれだけマクベス&マクベス夫人の人間が小さくなっちゃうような気が。
殺したはずの親友が晩餐に出席していて、
それを見て取りみだすマクベス。
必死に「あの人の持病です、すぐ治まります」とか無理のある嘘吐いて取りつくろう夫人。
確かに斜めに見ると滑稽極まりないシーンなんだけど、
ここで笑いにいっちゃうと、その後がなぁ…と思いました。
亡霊に翻弄されへたりこむ夫婦が、もはや喜劇に見えてしまう、というか。
ダンカン王暗殺後のマクベス
「怒りに駆られて容疑者殺してしもた!」
の件も、そりゃ、明らかに不自然。怪しいのはお前だ、ってのはもちろん分かるんだけど、
その面白さは客席だけに取っておいて欲しいような気がするんですね。
わざわざ「ここ面白いよ」アピールされなくても、なぁ、と。
亡霊に話を戻すと、
バンクォーの亡霊が妙な笑顔なのは、逆に面白かった。
それまでのバンクォーが、結構良い感じの「馬鹿の出来る豪傑」として作られているので、
あの笑顔も成立。
その後のマクベス×魔女3人のシーンも、
ちょっとギャグに走り過ぎ感はあるような。
その辺のさじ加減が、
マクベス&夫人が転がり落ちて行く「ゴロゴロ」の音を、
「コロコロ」くらいにスケール縮めてしまっていたような気がします。
こんだけ骨のある役者が揃っているようですから、もっと正攻法で攻めて良かったのでは、と思います。
あと、音響って、やっぱ強いイメージがある曲が流れるとちと残念感がありますね。
すごく気持ちは分かるけど、グラディエーターはいただけないと個人的には思います。
さて。
今回面白かったのは、イングランドに逃亡したマルカムとマクダフのシーン。
ここのマルカムが、良かった。薄平広樹。
お前、頑張ってたんだなぁ!と、
マルカムが心を許した瞬間に全てが湧き出るようで、
あぁ、こういう成立のさせ方あるのね、このシーン。と。
あと、バンクォー。日下諭。あぁ、こいつは確かに生かしとくと怖い。
そう思えるバンクォーでございました。
全体的に、上演時間も含めて、観やすいマクベス。
ラストシーンの国王万歳は、賛否両論ありそうですが、
僕は好きでした。
がんばったね、がんばり方間違えたかもしれないけど、
とにかくがんばった。
そう声をかけたくなるマクベスのラストが印象的でした。

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