『ピクセル』
原題:Pixels
監督:クリス・コロンバス
出演:アダム・サンドラー、ケヴィン・ジェームズ、ミシェル・モナハン、ピーター・ディンクレイジほか
上映時間:105分
2015年 アメリカ

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1982年に地球外知的生命体の為に宇宙に放たれた、
ビデオゲーム大会の映像。
それを受け取った異星人が、果たし状と勘違いして、
パックマンやらギャラガやら、その映像に映っていたゲームのキャラクターの姿で
地球を侵略しにくる、というワクワク設定な映画。

82年の大会で優勝ならず準優勝、挫折を味わった少年は、
その後人生の局面が訪れる度、その時の想いが頭に浮かび、さえないオタク中年に成長していた。

そんな中の異星人襲来。
異星人はゲームのルール通りに侵攻してくる。
それを倒せるのはそのゲームでさんざん遊んだオタクしかいない!
今、さえないオタク中年の指と頭脳に、世界の命運がかかる!

もう、予告で観た時からずっと気になっていた映画。
なんてあほくさいんだと。
観てきました。

もちろん、あほくさい映画でした。
でも、感動した。色んなとこで泣きそうになりました。

僕は小学校の頃から高校で演劇に出会うまで、
本当に楽しみといえばゲーム、将来の夢はファミ通の編集者、といった具合の子供でしたから、
ゲームに青春を過ごした、というのが、もうなんというか、感慨深く。
(実際の所は未だにゲームで遊んではいますが…)
プレイ時間が表示されるゲームなんかをやってると、
「この時間を別の事に使っていれば…」
なんていう事はしょっちゅう考えたりもするわけです。

そんな、ゲームに時間をかけまくった奴らが、
地球の危機に立ち向かっている姿をスクリーンで見せられると、
「あぁ、この人たちの時間は、無駄じゃなかったんだ…」
「これなら誰にも負けない、そう胸を張って言える人は、例えそれがゲームでもめちゃめちゃかっこいい」
そんな感情が込み上げてきて、
誰も泣かないであろう戦闘シーンですら落涙を禁じえないという有様。

ゲーム好きは絶対楽しめるであろう映画かと思います。
僕はパックマンとかギャラガとかは、知識の上では知っていてもそんなに遊んだ事ないんです。
それでもこの楽しさですから、
まさにパックマンやインベーダーに青春を過ごした方は、
さぞや楽しいのではないでしょうか。
全編泣きっぱなしかもしれませんよ!
もちろんゲームたいして詳しくない、という方も楽しめる、あほくさい映画です。

『インデペンデンスデイ』のようにカッコイイ主人公がいるわけでもないし、
絶望的な破壊力を持った恐ろしいルックスの敵がいるわけでもない。
主人公はオタクのオッサンたちですし、
敵は3Dドットで出来た間抜けなルックスの奴ら。

でも、オタクのオッサンたちはめちゃめちゃカッコイイし、
間抜けなルックスの奴らが世界を破壊していく様は、むしろ絶望的に恐ろしい。
こんなあほくさい感じで世界は滅ぶのか、という、違った絶望も。

触った物をピクセル化して壊していく宇宙人の兵器、映像めちゃキレイ。
台詞もかなり笑いの要素が強く、シニカルな笑いが沢山。
極上のエンターテイメントでございました。


けど、やっぱ感動巨編だと思うんですね、コレ。
挫折を味わった少年が、自分で「登れない・壊せないと思っていた壁」にいかに立ち向かうか。
核はそこの、人間の物語だと思いました。
あほくさい中に、輝きが隠れている。