王子には
改札を出てロータリーを正面にし、
少し左に進んだ所に、不思議なトンネルがある。
 
賑わうメインストリート・北本通りに背を向ける形でトンネルを潜ると、
そこには異世界が広がっている。
 
トンネルを潜ってまず目に付くのは、
ホテル・ロンドン(ラブホ)。
 
 
そしてその下には喫茶店・ビックベン。
 
 
このロンドンとビックベンの見事な連携プレーに、
思わず笑みがこぼれる。
 
半地下になっている店のドアを潜ると、
聞こえてくるのは
 
ビートルズ
 
ブレない。
 
ロンドン、ビッグベン、ビートルズ。
 
徹底したイギリス推しにすっかり心を奪われる。
 
当然ながら、
ラブホテルの直下という立地の悪さである。
客がいない。
これからムニャムニャしに行くカップルか、
ムニャムニャし終えたカップルくらいしか入るまい。
 
 
 
ランチもリーズナブル。
 
なんて居心地がいいんだ。
 
王子国・首都ロンドンの喫茶店ビックベンの名に恥じぬよう
 
私もイギリス推しに便乗し、
シェイクスピアの『オセロー』を読む。
 
 
「互いに食い合う食人種アンスロポファジャイのことや、肩の下に顔のついた種族のこと」松岡和子訳『オセロー』より
 
を熱心に聞きたがったというデズデモーナに思いを馳せる。
 
純粋で曇りのない女性のイメージだが、
この辺のエピソードが、アレである。
 
そんな話、「きゃー」とか耳を塞いで欲しいものだ。
 
なんて話を、以前、
今回のデズデモーナ役・だるめしあんの河南由良さんに話したら、
「でも、外の世界の事を知らなかったら聞きたいと思う」
と。
 
たしかに、そりゃそうだ。
 
これが、ネタっぽい所に食いついてしまう人間と、
純粋に物事を考える人間の差であろう。
 
もう、アンスロポファジャイって響きが、
頭から離れない。
 
アンビリーバボーやX-FILEで培った、
私のUMA系の知識をひとしきり話せば、
デズデモーナを口説けるかもしれない。
 
そんな事を考えながらビックベンの店内を見渡すと、
イチオシメニューが飛び込んできた。
 
 
和!
 
そこはさぁ、スコーンとかにしといてよ!
 
 
そう、ここは東京の王子。
偽物のロンドン直下にある喫茶店、ビックベンである。
 
 
今日は宗教劇団ピャーと。
『ガチゲキ2』の残り日程は
 
4/15(火)19:30 宗教劇団ピャー!!×劇団だるめしあん
4/16(水)14:30 こゆび侍×劇団だるめしあん
!4/19(土)19:30 劇団鋼鉄村松×劇団だるめしあん
!4/20(日)11:30 日本のラジオ×劇団だるめしあん
 
是非ご来場下さい。