国際芸術祭びわこびえんなーれ2012
『五個荘 FAIRY TALE night』
参加アーティスト:
AWAYA
circle side+新視覚
tarinainanika
吉光清隆
日程:2012年10月6・7日
料金:1500円
会場:弘誓寺
 
僕が今日、思い立って滋賀県まで行ってきたのは、
これを観るため。
 
何かを観るためにここまで遠出したのは今回が初めて。
気ままな一人旅、すごくワクワクしました。
 
近江の人たち、みんな親切だったな。
 
 
さて、この『びえんなーれ』
近江八幡市旧市街と東近江市五個荘エリアで、様々なアーティストたちが展示やパフォーマンスをやるよ!
というイベント。
古民家やなんかに作品が展示してあるのが期間中の常設展。
 
そして今回の
『五個荘 FAIRY TALE night』
のように、決まった日程でパフォーマンスやワークショップが行われている様子。
今年は「御伽草子」がテーマだそうです。
 
 
そして、この『五個荘 FAIRY TALE night』
 
お寺の参道からコーポリアルマイムのパフォーマンスが始まり、
それが本堂に移り、観客を異世界に誘う。
その後、ライブ→映像という流れのイベントでした。
 
ライブは(おそらく)雅楽とかで使うような楽器を使う唄い手さんと、
楽器もコンピュータも使う奏者さんのユニット。
音・唄声をマイクで拾って、(たぶん)その場でエフェクトかけて、えもいわれぬ世界観を醸し出しておりました。
また、場所がお寺の本堂だから、
悠久の時に包まれたような気持ちになり、鳥肌・落涙もの。
 
多分、今単身ドイツに乗り込んでる友人であり唄い手・kajonさんと同じ方角のパフォーマンスかと。
あの人、ちゃんと暮らせてるかしら。
 
ライブが終わり本堂を出ると、
今度は映像パフォーマンス。
これがまた凄かった。
お寺にね。
プロジェクターでね。
映ってるの。
 
 
写真ではもはやお寺とわからないでしょうが、
障子的な部分です。
ガラッと開けると本堂。
ここに様々なグラフィックが映し出され、
ぐにゃんぐにゃん変幻自在。
しかもその間、お寺の屋根を鯉が天へと駆け昇っていくの。
 
やばかった。
 
これまた鳥肌もん。
 
 
でも、個人的にベスト鳥肌・ベスト落涙だったのはコーポリアルマイムね。
 
コーポリアルマイムのユニット
"tarinainanika"
のパフォーマンス。
 
これを肌で感じたくて、滋賀まで行ってきました。
 
いやー、行って良かった。
沢山の刺激をもらって東京に帰ってきました。
 
そもそも聞きなれない「コーポリアルマイム」
俳優は戯曲やら舞台装置やらの力なしでも、俳優自身が芸術として存在しうる!
という信念のもとに生まれた表現形態だそうで、
肉体を極限まで磨き上げた身体表現が、
まじにかっこよいのです。
 
肉体が空気を切り裂く感覚が、
空間を掘り進む力強さが、
羽根のように軽く舞い、
浮かぶように漂う流麗さが、
静動入り交じった肉体のダイナミズムが、そこにはあるんです。
 
僕が演劇でやりたい何かが、
そして僕の演劇に足りない何かが確実にそこにはあって。
 
だからほんと、遠かったけど行って良かった。
 
参道に現れる白をまとった男性(=巣山賢太郎)と黒に身を包んだ女性(=Tania Coke)
 
白が持つのは白い一枚の羽
黒が持つのは黒い一枚の紙
 
陰と陽っぽい(天使と悪魔だねって言ってるお客さんもいた)この二人が、
同調し、反発し、近づき、離れ、
繊細に、大胆に参道を進みつ戻りつ。
 
羽は紙に近づきたいようでもあり、離れたいようでもあり、空を切り。
 
紙もまた羽を受け入れたいようであり、突き放すようであり、宙を舞い。
 
このイベントのテーマが御伽草子って事もあり、
こりゃひょっとすると紙と(羽根)ペンかな、とか思いながら見てると、
白も黒も何かを生み出す為の激しい苦悩の中を突き進むように見え、
作家と作品ってやっぱ一身同体なんだな、とか、
身を削って作品が生まれるのね、とか思い。
 
そして本堂に二人は消えてゆくのです。
 
ここで観客も堂内へ。
そこには紙に突き立てられた羽根がいくつも。
そして倒れてる白と黒。
さっきまで顔を覆ってた布はなく、二人とも素顔。
 
入場しきるとここでデュエット。
紙と羽根のセットに囲まれた舞台で繰り広げられるそれは、
先程までの激しさよりは優雅さを抱いてるようであり、
接触も増えてくる。
どちらがどちらを導くともなく、同調していく。
そして最後には羽根と紙がついに触れ合い、
畳みに突き立てられる。
 
無数に配置された羽根&紙も、この状態になるまでにこれまでのドラマがあったのかと。
 
それはなんだか墓標のようでもあって。
作家の死後も残るのは作品という、時を越える墓標ですな、とか思い落涙。
 
しかもこのパフォーマンスの後ろには金色に輝く仏様。
 
異空間過ぎる。
 
神様にちょっと触れたような体験でした。
 
 
くどいけど、遠くまで行って良かった!
 
今月は倹約生活です。