『らくごDE枝雀』
著:桂枝雀
1993年 筑摩書房(ちくま文庫)
 
落語家・桂枝雀が、対談形式で自身の落語論をまとめている。
そうとう理論について考えていたようで、
・緊張の緩和
・サゲの四分類
などの話にはなるほど、と思わされる。
特にサゲの四分類。
従来の分類はどういう視点で分類したかに統一性がないので理論には程遠い、とした上で、
 
「落語がいかに観客に影響を与えるか」
つまり、
「観客に寄り添った視点」
で分類をしている点に頭が下がる。
演劇でもそうだが、中には「観客」をないがしろにして気にも留めないパフォーマンスをする人たちがいたりするので、
一流の人がこういう事を言ってくれているのが非常に嬉しい。
 
ドンデン・謎解き・へん・合わせ
 
この、枝雀流のサゲの分類は非常に明確に観客の心情をとらえていて、これぞ理論!と確かにうなずきたくなるものなのだ。
 
また人情噺に関しても、
観客が「隠れた人情」を見つける喜びについて触れていて、またまたなるほどである。
 
常に面白い事をやり続けようとした一人の男の、
思考の断片が記されている良い本。