
『演劇は仕事になるのか? 演劇の経済的側面とその未来』
著:米屋尚子
彩流社/2011年
アーツ・マネジメントに焦点を当てて書かれた本。
助成金や公共施設、劇場法などについて言及している。
専門的な分野に突っ込んでる雰囲気で、新書を読むようにさくりとは読めないが、その分読み応えがある。
一つの考えに固執せず、演劇を取り巻く環境へ色々なアプローチで書かれていて好感。
日本とイギリスの演劇事情について書かれた「隣の芝生、自分の庭」という章に良いことが書いてあった。
「そもそも同じモノサシで比べるものではないのです。イギリスの芝は冬場でも青々としていて、冬場は褐色になってしまう日本の芝とは違います。土壌も気候も違うから品種も違うのだそうです。芸術や娯楽だって同じこと。イギリス品種の種を持って帰って日本で蒔いても同じように育ちはしないでしょう。成り立ちが違う、社会が違う。日本の芸術には、日本の芸術の成り立ちがあり、支えてきた人々の思いがあります。どっちがいい悪いと単純に決められることではなく、まして欧米が「進んでいて」日本が「遅れている」という見方には違和感があります。」
外側ばかり見ていても、内側だけで凝り固まっても駄目ですな。
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