『水屋の富』

宝くじが当たった途端、なんだか周りが違って見えちゃって、とんだ心労を抱える羽目になる男の話。

毎日あくせく働いて、なんとか生きている水屋。

あぁ、金があったらこんな辛い仕事はとっとと辞めるのに…

そんなわけで水屋が富くじを買った、当たった、八百両だ、うわぁい!

さて、仕事辞めるにも後任を探さなきゃならないからしばらくは働こうと家を出ようとするが、
八百両が心配で家を空けられない。
戸棚に置いちゃ盗まれる、
神棚でもダメだ

とうとう畳剥がしてそこに隠し、さぁ仕事だ

あれ
なんだか目付きの悪い奴がこっち見てやがる
…もしかして
…あ、違った、良かった

家に帰って布団に入れば
何やら怪しげな男が
「金を出せ」
「ひゃあお助けを」
なんて夢を見る

そんな中、水屋の外出中、とうとう本物の泥棒が入った。

家に帰った水屋、剥がされた畳を見て

「あっ、盗られちゃった。あー、これで苦労がなくなった」

・収録・
『志ん生滑稽ばなし 志ん生の噺1』/古今亭志ん生著/2005年 筑摩書房 ちくま文庫