0c1e646a.jpg現在、小学館から隔週でCDつきの落語雑誌が発売されてます。

僕のバイト先の本屋にも落語コーナーが出来るほど、今は落語ブームなんだとか。

前々から落語には興味があったので、この隔週刊マガジン、「落語 昭和の名人 決定版」に手を出してます。

毎号、昭和の名人と呼ばれる落語家を取り上げ、マガジンで紹介、2〜3席の落語を収録したCDが同梱されていて、名人の落語が手軽に味わえるという作り。
なかなか面白い企画です。
マガジンも、入門編としては優秀か。

現在4号まで出てますが、今日は1号に紹介されてる三代目 古今亭志ん朝の落語を聞いて思った事をつらつらと書きます。

明朗快活な語り口。
聞いてて驚いたのはまずこれ。僕の固定観念では、落語って非常に聞き取りにくいイメージがあったんです。ま、全く聞いた事無かったもので。
ところがこの三代目古今亭志ん朝のセリフの聞きやすい事!
よくはった、親しみの持てるその声から形になってくる言葉たちは、なんとまぁ聞きやすく耳に入ってくるのです。
情景描写や人物描写が極めて丁寧で分かりやすく、かつダイナミックさすら感じさせる堂々とした語り口には憧れすら覚えます。
落語家の台詞回しって、新劇みたいな「セリフを立てる」的概念とは全く違う魅力を持っているように思える。
そして、聞いててしっくりくるのは、すなわち日本人の言語生活に近いのは、落語家のセリフ術のように思える。
こんな事言ってるのも最近読んでる『演劇のことば』(平田オリザ著)の受け売りみたいなもんだけど、確かに日本人って会話でそんなに強弱アクセント使わないよね?ってとこでさ。
その点、落語家のセリフ回しってのは非常にいい参考になるんでないかな、と思ってたりするわけですよ私。まだ落語かじりたてな身なので、ほんとはこんな文章書くのも恥ずかしいんだけど、このセリフの力はすごい。
すごいすごいって書いてるとなんだか馬鹿みたいだけど、馬鹿だから許して!
やっぱすごいよ、この描写力は。特に志ん朝は情景描写や人物描写に定評があるらしく(って付属のマガジンに書いてあった)、もう、ほんとに圧倒的じゃないか。
しかもなんだか愛着がもてる語り口、こりゃすごいよ。

落語家にはそれぞれ語り口の個性があるようだから、この先の号も楽しみで仕方ないんだ私は。
という事で、また思いついたら書きます。


「隔週刊CDつきマガジン 落語 昭和の名人 決定版 1/20号 1 三代目 古今亭志ん朝 壱」/小学館 2009
CD
『夢金』
『品川心中』