『動員挿話 [第一稿]』
著 岸田國士
初出 昭和2年7月

昭和2年7月1日発行の『太陽』に掲載された、『動員挿話』の第一稿。
後に改作された物に比べると、全体的に科白が長く、説明的な箇所もちらほら見える。
改作と照らし合わせると、岸田國士がどのようなプロセスで゛劇的文体゛を組み上げて行ったかがなんとなく読み取れて興味深い。

また、「数代」という役名は登場せず代わりに、監獄に入っていたことがあり、自分の喉に包丁を突きつけたりもするエキセントリックな女・「お種」が登場する。

また、友吉・お種の言い争いにデウス・エクス・マキナ的に登場する少佐夫人など、見所がいっぱいだ。


・収録・
『岸田國士全集 3』/岸田國士 著/岩波書店 1990年