『欲望という名の電車』
原題 A Streetcar Named Desire
作 テネシー・ウィリアムズ
初演 1947年

恥ずかしながらようやく戯曲を読みました。
いや、すごい。
ブランチの空気感、スタンリーの空気感、ステラの、ミッチの、いや、とにかくいいです。
それにしてもすごいなブランチ。怪物女優じゃないと出来ないなー。篠井英介が演じるのもわかるや。
すげー。やりたい。



〜こんなお話〜

第一場
ポーランド系移民のスタンリーと、その妻でアメリカの良家の娘ステラが住む家に、ステラの姉・ブランチ・デュボアが訪ねてくる。
ブランチは勤めていた学校に休暇をもらい、ステラを訪ねてきたのだ。再会を喜ぶ二人だが、ブランチはステラの優雅とはお世辞にも言えない生活に愕然とする。
だが楽しそうに暮らすステラに対し、ブランチは告げる。故郷のベルリーヴを手放し、父も母も死んでしまったと。
バスルームに閉じこもり泣くステラ。
そこへボーリングに出かけていたスタンリーが帰ってくる。生きる力に満ちた彼と、繊細な美しさを持つブランチの出会いである。

第二場
シャワーを浴びているブランチ。スタンリーは、ブランチがベルリーヴを売却し、金は全て自分の物にしたのではないかと考えブランチの荷物をひっくり返す。
中からは豪華な衣服や宝石の数々。ステラは、姉が以前から持っていたものだと説くが、疑いを深くするスタンリーはブランチに、ベルリーヴの売却書類を見せるように迫る。
ブランチはステラを買い物に行かせ、初めての徹底抗戦。その過程でステラが妊娠していることを知るブランチ。ステラを祝福するブランチだが、行き場のない不安は募るばかり。

第三場
ポーカーの夜。スタンリー、スティーヴ、ミッチ、パブロの四人がポーカーをしている。
そこへショーを見てきたブランチとステラ。
ブランチとミッチは互いに惹かれ合う。
スタンリーはブランチがつけたラジオを放り投げる。ステラは怒り、ポーカーをやめて帰るように告げる。怒るスタンリー、ステラを殴る。
ブランチはステラを連れ、二階のユーニスの家へ。
ポーカーも解散する。
スタンリー一人。ステラの名を咆哮する(すげぇいいシーン。やりたい。)。
耐えきれなくなったステラ、二階から降りてくる。抱き合う二人。
様子を見に降りてきたブランチ、ミッチと再び出会う。

第四場
スタンリーは出かけている。ブランチはステラにさんざん彼の悪口を言う。
スタンリーは戻ってきてそれを家の外から耳にする。
そ知らぬふりで戻ってくるスタンリーはステラと抱き合う。目はしっかりとブランチを見据えたまま。

第五場
スタンリーは、ブランチがローレルのフラミンゴというホテルでいかがわしい事をしているらしいという噂を持ってくる。
否定するブランチだが、少し動揺が見られる。
ミッチに惹かれるブランチ。
ブランチが一人の時、新聞の勧誘の若者がやってくる。彼にキスしてしまうブランチ。
若者が帰るとミッチがやってくる。

第六場
ミッチとのデートからの帰り。時刻は深夜。
スタンリーとステラは出かけて朝までは帰ってこない。
家で一時を共に過ごすブランチとミッチ。ミッチはブランチにプロポーズする。

第七場
ブランチの誕生日パーティーの準備をしているステラ。
スタンリーがブランチの秘密を暴いてやってくる。ブランチは潔癖な女などではなく、学校の自分の教え子に手を出して町を追われてやってきたのだ、と。
それをミッチにも伝えたというスタンリー。
この会話をステラとスタンリーがしている間、ブランチは浴室で気分よく歌っている。

第八場
ブランチの誕生パーティーにミッチは来なかった。それでも気丈に振る舞うブランチ。
ステラはスタンリーに怒りを向けるが、逆にスタンリーはステラに、自分の悪口を言うなと怒鳴る。
スタンリーはブランチに、誕生日プレゼントとしてローレルへ帰るバスの切符を渡す。ブランチは気分が悪くなり嘔吐する。
一方ステラは産気付く。スタンリーはステラを病院へ連れていく。

第九場
ミッチがブランチの元へやってくる。真実を知ったミッチはブランチを抱こうとする。
ブランチは結婚を迫るがミッチは断る。
火事だ、と叫ぶブランチ。
逃げるミッチ。

第十場
同じ夜の二・三時間後。
ブランチはずっと飲み続けている。
スタンリーが帰宅。子供は朝まで生まれないので家で待つことになったという。
二人っきりの夜。怯えるブランチ。スタンリーはブランチに襲いかかり、彼女を寝室へ連れていく。

第十一場
数週間後。
ブランチはあれ以来、精神不安定な状態にある。
ステラは他に方法もなく、精神病院へと連絡、今日は医者がブランチを迎えに来る日だ。
ブランチは医者に連れられてこの家を後にする。激しく後悔し、崩れ落ちるステラをスタンリーは支える。
家では男たちが、相変わらずポーカーに興じている。

〜こんなお話〜


『欲望という名の電車』/テネシー・ウィリアムズ作/小田島雄志訳/昭和63年 新潮社 新潮文庫
に収録。