しちふく陣『その時、触れるはナイフとフォーク』
作 二階堂貴子
演出 江口茜
2007年10月18〜21日
@明石スタジオ
何とも形容しがたい公演だった。戯曲の仕組みとしては面白い。序盤は特に得体の知れない閉塞感が全体を支配しているようで、その中で食事が始まるというすっとんきょうなバランスが良い。
ただ、芝居に起こす段階で、広い劇場スペース(特にタッパ)を有効利用出来ず、密室的空気が拡散してしまっていたのが残念であった。
演技も全体的に統一感がなく、ごく自然な芝居をする人物ややたらに顔芸が激しい人なんかが混ざり合い、うまく一本になっていない感じでどこを観たらよいのかと若干疲れてしまう。
結果、キャラクターの存在の仕方に決定的な差が生まれてしまい、作中必要な人物の存在意義が疑わしくなるような場面も。
物語のクライマックスは映画『ハンニバル』を観た時の不快感に近いものを感じた。そういう戯曲なんだろうけど、それにしてもグロかった。人肉を「食べなければならない」という精神状態に追い込まれるまでのプロセスが不明確なように感じ、それゆえか、そのシーンは苦痛だった。人肉を食らう主人公に対する周りの人物の反応も、わざとくさい芝居や繊細な芝居が入り乱れ、統一感に欠ける。
ピントがどこに合っているのか、いまいちよくわからん芝居だった。
ポストカードを利用したチラシはとてもオシャレだが、情報量が極端に少なく困惑。会場までの地図くらいは欲しかった。
夢幻舞台の後輩・内山貴規は飲食店でバイトするアルバイター柳沼を好演。
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