「アメリカ人のためのフランス語のレッスン」
作 ウージューヌ・イヨネスコ
訳 末木利文
1966年初演
・教室・
二人の生徒トーマスとオードリィ。二人にフランス語を教えるディック。彼はフランス語で、教室にあるものを一つ一つ挙げていき、それを使って文章を作るように指示するが…。
こんがらがった言語が時折鋭い一つの真実を見せる。しかし、言語の教科書の文章って確かに面白いな。
・屁理屈・
言葉を掘り下げていき、もう意味が意味を持たない屁理屈にしかならない状態まで行っちゃう話。
・未来・
顔を買いに来た女の話。店員は鼻・目・口が何に必要かを語る。
・大時代-フランス語会話の練習のために-・
同じ文章を何度も繰り返す。
・児戯・
三つのパイの話から話は広がり、最終的にナポレオンの話に行き着く。脈絡はないように思える。
解説に「アリストテレス的ドラマツルギーの対局から出発したイヨネスコ劇の言葉と言葉のオートマチックな繁殖増加作用が単語を解体して一つの音にまで凝縮された作品」との文章があり、「言葉と言葉のオートマチックな繁殖増加」という部分はなんとなく納得だった。
「屁理屈」などは特に、言葉が言葉を導いている感じであり、単語の解体にも繋がっているような雰囲気を感じることが出来る。
他にも、一見意味の崩壊が起きているようで、別の意味を誕生させているという興味深い現象を起こしている「教室」など、反・戯曲を掲げた作者の実験的感覚が面白い。
『イヨネスコ戯曲全集4』/末木利文,佐藤信夫,加藤新吉,石沢秀二,利光哲夫訳/1969年 白水社
に収録。
作 ウージューヌ・イヨネスコ
訳 末木利文
1966年初演
・教室・
二人の生徒トーマスとオードリィ。二人にフランス語を教えるディック。彼はフランス語で、教室にあるものを一つ一つ挙げていき、それを使って文章を作るように指示するが…。
こんがらがった言語が時折鋭い一つの真実を見せる。しかし、言語の教科書の文章って確かに面白いな。
・屁理屈・
言葉を掘り下げていき、もう意味が意味を持たない屁理屈にしかならない状態まで行っちゃう話。
・未来・
顔を買いに来た女の話。店員は鼻・目・口が何に必要かを語る。
・大時代-フランス語会話の練習のために-・
同じ文章を何度も繰り返す。
・児戯・
三つのパイの話から話は広がり、最終的にナポレオンの話に行き着く。脈絡はないように思える。
解説に「アリストテレス的ドラマツルギーの対局から出発したイヨネスコ劇の言葉と言葉のオートマチックな繁殖増加作用が単語を解体して一つの音にまで凝縮された作品」との文章があり、「言葉と言葉のオートマチックな繁殖増加」という部分はなんとなく納得だった。
「屁理屈」などは特に、言葉が言葉を導いている感じであり、単語の解体にも繋がっているような雰囲気を感じることが出来る。
他にも、一見意味の崩壊が起きているようで、別の意味を誕生させているという興味深い現象を起こしている「教室」など、反・戯曲を掲げた作者の実験的感覚が面白い。
『イヨネスコ戯曲全集4』/末木利文,佐藤信夫,加藤新吉,石沢秀二,利光哲夫訳/1969年 白水社
に収録。
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