びょうびょうほえる〜西村俊彦のblog

俳優・ナレーター、西村俊彦のブログ。

2024年12月

『俳優を動かす言葉 戯曲の読み方がわかる20のレッスン』著:ウィリアム・ギャスキル訳:喜志哲雄2013年/白水社久しぶりにどっぷり読んだ演劇書。やっぱり演劇の話は、たのし〜な〜。 この本は「この本の試論の大部分は、書かれた言葉がどのようにして生命を与えられて舞台 ...

『耶蘇降誕祭の買入』作:アルトゥル・シュニッツラー訳:森鴎外クリスマスプレゼントの購入にまつわる、男女の二人芝居。一緒にプレゼントを選んで欲しい、という所から始まり「ありあら」という展開になる。軽快で愉快な短篇戯曲。【収録】『鷗外選集 第19巻』1980年 岩波 ...

『アンマーとぼくら』著:有川ひろ2020年 講談社文庫(単行本は2016年)主人公が気がつくと、どうやら母親と三日間を過ごす沖縄の旅らしい。途中途中で差し込まれる回想シーン、人生のあの時に残した後悔。段々と違和感が漂い始め…。あれ、何が起きてるんだろう?ざわざわし ...

『芸能界』著:染井為人発行:2024年/光文社 『正体』の映画化でも話題の作家・染井為人さんの本。元芸能マネージャーという経歴を活かし、芸能界のアレやコレやを描く。黒い噂、SNS依存、ポリコレ、セクハラパワハラなど、芸能界のみならず現代の人々が抱える諸問題につい ...

『怒りー映画のためのシナリオー』原題:LA COLERE -Scenario de film-作:イヨネスコ訳:石沢秀二執筆:1961年12月「みなさま、まもなく、世界の終わりでございます」映画『七つの大罪』監督:シルヴァン・ドムの中の一シーンとして書かれた短篇シナリオ。平和な家庭の風景 ...

『贖罪』著:湊かなえ2012年/双葉社(双葉文庫)Audibleにて。朗読はドラマ版にも出演されていた小池栄子さん。しっとりと、それでいて迫力のある読みがシビレル。 ある殺人事件をきっかけに人生の歯車が狂ってしまった人たちの話。連鎖に連鎖が重なって、とんでもない事態 ...

『鉄輪 丑の時詣りの小戯曲』作:郡虎彦執筆:大正2年3月丑の刻詣り(藁人形に釘打つやつ)の戯曲。あらすじとしては、呪われそうな男が助けを求めて安倍晴明を訪ねるが「えーとね、無理」と言われて絶望する、というもの。なのだけれど、そこは郡虎彦の言葉の美しさ。飾ら ...

『ヴェノム:ザ・ラストダンス』原題:Venom:The Last Dance監督:ケリー・マーセル製作:2024年/アメリカ映画『ヴェノム』のシリーズの三作目・完結作。今回も相変わらず、何も考えずに観て楽しめる映画でとても良かった。エディとヴェノムの漫才コンビの仲はますます深ま ...

『世界文学全集第三十巻ポー、ホフマン集』訳:江戸川乱歩(名義上は乱歩だが、ポーの作品は少なくとも、実際は渡辺温&啓助の訳)改造社おー、江戸川乱歩の訳でエドガー・アラン・ポーが読めるのか!と感激したが、実はポーの作品を訳したのは渡辺温&啓助兄弟だそうだ。昭和 ...

『ゆで卵 ーシナリオー』原題:L'ŒUF DUR -Scenario-訳:利光哲夫1966年【この作家の本をAmazonで探す】「気をつけろ。卵が通るから。」映像のシナリオ。ゆで卵を作るために買い物に行く所から丁寧に説明していく。町中では卵の安全が最優先されたり、調理過程で火のアップ ...

『Q』著:呉勝浩2023年 小学館【この本をAmazonで探す】Audibleで聴了。★Audibleのご加入はこちらから★ロク、ハチ、キュウという、母親の異なる三人の姉弟。困難な家庭環境から脱出する為に知恵を絞った彼らには、ある秘密がある。キュウは並々ならぬカリスマ性を発揮し、 ...

『逆転正義』著:下村敦史2023年 幻冬舎★Amazonでこの本を探す★ 下村敦史さんの作品はデビュー作『闇に香る嘘』『絶声』以来三冊目の読書。Audibleにて。★Audibleへのご加入はこちら★『逆転正義』というタイトル通り、巧みなどんでん返しが沢山仕組まれている。「どんで ...

『欠陥』原題:LA LACUNE作:ウジェーヌ・イヨネスコ訳:加藤新吉初演:1965年3月【この作家の本をAmazonで探す】アカデミー会員の妻が友人と悲嘆に暮れている。アカデミー会員の男が、大学入学試験に落ちたのだ。男は有能な学者だが、学歴に不備があり試験を受け直し見事落 ...

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