『お国と五平』作:谷崎潤一郎大正11年6月「成る程国を出た時はあっぱれな主従であったろうが、お身たち二人がいつからともなく馴れ染めたのは、よう知っている。」旦那を殺された奥には従者の五平と共に仇討の旅に出ている。とそこへ仇の池田友之丞が現れるのだが、彼は以前 ...
2021年09月
【戯曲】谷崎潤一郎『白狐の湯』あらすじと感想
『白狐の湯』作:谷崎潤一郎大正12年1月「あれを御覧よ、あの真っ白な襟頸を御覧よ、あれでも人間の肌なんだよ。……」谷崎潤一郎の短編戯曲。題名の通り、湯につかっている女性(狐が化けている)の姿を、狐に魅入られた少年が覗き、連れ去られるという話。狐に魅入られた少 ...
【戯曲】谷崎潤一郎『無明と愛染』あらすじと感想
『無明と愛染』作:谷崎潤一郎大正13年3月「またあの法師を迷わせて、煩悩地獄へ堕してやるのじゃ」山奥の廃寺に住まう女のもとに、旅の僧侶が訪ねてくる。聞けば女は無明の太郎という盗賊の妻で、彼は愛染という女に夢中になってからというもの、彼女のいいなりに残虐な行い ...