びょうびょうほえる〜西村俊彦のblog

俳優・ナレーター、西村俊彦のブログ。

2018年10月

『俳優志望者メンタルテスト』作:岸田國士1928年4月私(岸田國士)と俳優志望者の対談形式で書かれた演劇談義。戯曲といってよさそうな形式。俳優志望者のメンタルテスト、というよりは、岸田國士が、イラッとする面接者に、どこまで耐えられるか、みたいなメンタルテストにな ...

『野口体操 マッサージから始める』著:羽鳥操2012年 ちくま文庫文学座の研究所で、「こんにゃく体操」として触れていたものの、大元・野口体操。ちくま文庫から、読みやすそうな基礎本が出ていました。ストレスにまみれた現代、癒しビジネスがブームとなる中、本当の癒しと ...

『チロルの秋』作:岸田國士1924年9月「このチロルの山奥で、お互に身の上話しさへしたことのない二人が……二度と再び会はないといふ誓ひを立てた上で、久しく別れてゐた恋人のやうな一夜を明かして見たら……どんなに、面白いでせう」ステラとアマノ、という男女の間に流れ ...

『音の世界』作:岸田國士1931年10月電話がキーアイテムになる戯曲。会話の片方しか聞こえない場合、内容を想像するしかないが、実際にはその想像とは全然違うことが話されている、という面白さ。【ネタバレあらすじメモ】電話で繋がれた三ヶ所の舞台。女とその夫の部屋。ホ ...

『実験劇場と唐十郎 1958-1962 「アングラ」の前に「実験」があった!』日程:2018年10月5日(金)〜10月28日(日)会場:駿河台キャンパス中央図書館ギャラリー唐十郎さんが、明治大学の学生時代に在籍していた実験劇場。その実験劇場と唐十郎の資料が色々展示してあります。こ ...

『かんしゃく玉』作:岸田國士1931年7月しっかりものの妻と、「こんな情けない俺でいいのか?」と、(主に経済面で)苦しむ夫が中心に描かれる短編。この構図、『ぶらんこ』を始めよく岸田戯曲に登場する印象。生活の貧しさに、心が蝕まれていく。その回避法として、「かんしゃ ...

『写真』作:岸田國士1927年5月人物が写真を見ながら話が進む、という面白い構造の前半。そこから、写真を巡る争いになる後半、なんとも絶妙なオチ。これ、面白い。嫉妬、身分格差。【ネタバレあらすじメモ】軍人・三好大尉の家。夫人が、隣の奥さんに写真アルバムを自慢げに ...

『若い人』作:アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ1884年2月テーブルを挟んで話をする、プラヴドリューボフと若い男ウプリャーモフ。ウプリャーモフは、風刺画を編集部に持ち込む途中でプラヴドリューボフに絡まれた模様。その絵は何だと問うプラヴドリューボフ。出てくる ...

文学座有志による自主企画公演大人のためのおとぎ話『エレベーターの鍵』作:アゴタ・クリストフ訳:堀茂樹演出:水野玲子日程:2018年10月18〜20日料金:2500円会場:文学座新モリヤビル1F『悪童日記』のアゴタ・クリストフの、ほぼ一人語り戯曲『エレベーターの鍵』建築家 ...

『説教節による見世物オペラ 身毒丸』作:寺山修司初演:1978年6月 天井桟敷「お母さん!もういちど、ぼくをにんしんしてください!」寺山修司の有名戯曲。舞台を観たこともないので読んでみました。見世物小屋に地獄の光景、呪いの人形、何でも消す消しゴム。圧倒的に雑多な ...

脚本書いたり出演したりしている、『一人芝居ミュージカル短編集』実在した人物を題材に、伊藤靖浩氏の作曲で作り上げる、30分の一人芝居のミュージカル、というやつです。私が出演したvol.3に同じく出演していた高橋エマと村田実紗が、二人で上演企画をやるそうで、高橋エマ ...

『行方不明の工場長は?』作:福田栄一1928年政府から工場に視察が来るその日。工場側は、若年工を隠し、付き添いの警官を買収し、工場に都合の悪いものは全て目に入らないように整える。が、工員たちによる工場長を娼婦で足止めする計画等々がうまく成立し、査察官の前で、 ...

『ここに弟あり』作:岸田國士1931年内緒で同棲中のカップルの元に、男の兄が訪ねてくる、という出来事を描く。男のなんとも頼りない感じ、兄に逆らえないでここまで来たけど、今日はガツン、と言ってやる→言えないみたいな人間関係がおもろい。すごいなんとなくだけれど、 ...

『ぬけがら』作:佃典彦初演:2005年 文学座アトリエの会僕が文学座の研究所に入って初めて観た演目で、この劇団おもしろい、と思ったやつ。その後戯曲を買い求め、今になってようやく読む。浮気はばれるわ交通事故起こして仕事は駄目になるわ、妻に離婚届のサインを迫られる ...

『二人で狂う……好きなだけ』原題:DELIRE A DEUX ……A TANT QU'ON VEUT作:ウジェーヌ・イヨネスコ初演:1962年4月 ステュディオ・デ・シャンゼリゼ訳:安堂信也「いつでも自分の方が正しいと思ってるんだな。」そう言い合ってはお互いを否定し、罵り合い、喧嘩を続ける一 ...

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